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東京防水の一級建築士コラム:建物探訪~渋谷区の公共トイレ

コラム

多様性を受け入れる社会の実現を目指して、渋谷区内17ヵ所に新しい公共トイレを設置する取り組みが昨年から行われています。渋谷区の協力を得て日本財団という団体が進めている、誰もが快適に使用できる公共トイレを設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」がそれです。トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴であるにもかかわらず、多くの公共トイレが暗い、汚い、臭い、怖いといった理由で利用者が限られている状態にあるとして、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置する事業です。


世界で活躍する16人のクリエイターたちに優れたデザイン・クリエイティブな公共トイレのデザインを依頼し、昨年は7ヵ所、今年8月には3か所がオープンし計10ヵ所の利用がはじまっています。従来に比べ清掃をはじめとしたトイレの維持管理を強化することで、訪れた人々に気持ちよく利用してもらい、さらに利用者自身が次の人のためを思う「おもてなし」の心の醸成も目指しているプロジェクトです。

渋谷区公共トイレプロジェクト ロケーションマップ(日本財団HPより転載)

2020年の坂茂氏や安藤忠雄氏らがデザインした7カ所の公共トイレに続き、2021年8月には伊東豊雄氏、隈研吾氏、佐藤可士和氏がデザインした3ヵ所のトイレが完成しました。その3か所の公共トイレをご紹介したいと思います。

1.森の中にある集落のようなたたずまいをしている「鍋島松濤公園トイレ」

デザイン:隈研吾氏
名称・愛称:森のコミチ

5つの小屋(個室)を建て、「車椅子用」「子育て用」「身だしなみ配慮」と用途を明確にして小屋ごとに機器や備品、内装を変えています。

利用者を男性か女性かによって分けないトイレ(個室)にして、また隣り合う男性用の小便器トイレは、手すりをの有無で個室に分けています。

小屋と小屋の間には木チップを敷いた小道を設け、通り抜けられるようにしています。「風通しが良いポストコロナ時代にふさわしい公共トイレができた」と隈氏は話しています。

2.神社の前に生えた3本のキノコのような形をした代々木八幡公衆トイレ

デザイン:伊東豊雄氏
名称・愛称:Three Mushrooms

3つの建物に分棟して回遊性を生み出しています。3棟の間の通路は行き止まりがなく、視線を抜くことで死角をなくし、安心して立ち寄れるように工夫されています。

個室の分け方は男子と女子、誰でもトイレと普通ですが、こだわったのは室内の広さとのことです。男子と誰でもトイレの面積は7㎡台。個室を広げ、「多目的トイレに集約されていた高齢者や子ども連れのための機能を男女の個室に分散した」と伊東氏は説明しています。男子トイレは、円柱形の後ろ半分をオープンにして小便器を並べています。

3.真っ白な箱のような外観が特徴の「恵比寿駅西口公衆トイレ」


デザイン:佐藤可士和氏
名称・愛称:WHITE

1辺当たりのアルミルーバーの数は50本で、建物上部から鉄骨でルーバーを吊る構造を採用し、足元を50cmほど浮かせています。換気を良くし、建物がルーバーの隙間から見えるため、人が隠れることができないデザインにしています。

5つのブースはいずれも男女共用です。JR恵比寿駅西口に隣接する駅前にあるこのトイレは、常に人通りが絶えず利用者は多くなります。男女で分けて順番待ちの列ができないように、空いたブースに誰でもが入れることを優先したそうです。トイレ内部を外観と同じ白にした理由を、「毎日のように見かける駅前トイレは、清潔で安心という当たり前な配慮が一番大切。その象徴が、明るくて清潔感がある白だ」と説明しています。

近くにお出かけの際は、「東京防水で紹介していた公共トイレをちょっと覗いてみようかな!」と思い出してくださると嬉しく思います。

(掲載した写真、図面、説明文の一部は日経クロステック(Xtech)、日本財団HPから転載させていただきました)

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