コンクリートに「ひび割れ」ができる理由
コンクリートは硬い物質なので、
ひび割れするのは施工が悪かったから
と思われる方が大勢いらっしゃると思います。
コンクリートは、
セメントと水が化学反応して固まってできる化合物で、
この化学変化を水和反応と言います。
水和反応が進んでいる間、熱が発生します。
この熱を水和熱と言います。
また物質は、
熱を帯びると伸び、冷えると縮む性質があります。
コンクリートも水和熱により伸び、
水和反応が一段落すると冷めて縮みます。
この伸縮によって「ひび割れ」は生じます。
さらにコンクリートは空気に接している外側から冷えていきます。
コンクリート内部で水和反応が続いている状況のとき、
コンクリート内部と外部の温度差によって、
コンクリート外側にはひび割れが生じます。
このように、
コンクリートの「ひび割れ」が生じる理由・経緯から、
ひび割れを無くすことはとても難しいことです。
一級建築士 佐藤静
(コンクリート診断士でもあります)