脱気筒
脱気筒(脱気装置)は、
既存防水層の下に入り込んだ雨水や、
屋上躯体コンクリートが含有する水分を
外気に放出するための装置です。
脱気筒を設けなかった場合、
それらの水分は防水層の中で水蒸気となり膨張します。
膨張した水蒸気は、
新しい防水層(塗膜又はシート)を押し上げ、
穴を開けたり、端部に隙間を作ったり、重ね部分を剥がしたり、
最終的には、防水膜や防水シートを破断させてしまいます。
温度が高い気体は上昇するという性質を利用するため、
脱気筒は最も高い場所に設置します。
ですので屋上の場合、
中央付近に設置することが多くなります。
邪魔だとは思いますが、
防水層を健全にご使用いただくため、
重要な装置であることをご理解くださいますようお願いいたします。
一級建築士 佐藤静