シーリング工事 ワーキングジョイントの2面接着とノンワーキングジョイントの3面接着とは
ワーキングジョイント
シーリング工事で、変位・変動が大きい箇所の目地を ワーキングジョイントと言います。
・温度によって伸び縮みの大きい金属類との目地
・ 鉄骨造、木造のALC外壁やサイディング外壁の目地
は、 変位・変動の大きい目地でワーキングジョイントになります。
ワーキングジョイントのシーリングは2面接着が基本
ワーキングジョイントはシーリングが受ける力が大きい箇所です。
両脇に加え目地底も固着する3面接着では、シーリングが切れたり、
接着面が剥がれたり、表面にヒビが生じたりと不具合が発生しやすくなります。
ワーキングジョイントは目地底を固着せずに、
シーリングの動き・変位を拘束しない2面接着で施工します。
2面接着を確実に施工するには、
目地底に剥離剤を塗ったり ボンドブレーカーを貼ったりします。
ノンワーキングジョイント
一方、変位・変動が少ない箇所の目地をノンワーキングジョイントと言います。
・温度変化による伸縮がほとんど現れない目地
・コンクリート誘発目地や外壁タイル伸縮目地
は、ノンワーキングジョイントの代表です。
ノンワーキングジョイントのシーリングは3面接着が基本
シーリングが受ける力や変位量が小さいので、
経年劣化以外でシーリングが切れたり剥がれたりすることはありません。
タイル、石、コンクリートの劣化要因となる雨水の侵入を防ぐ3面接着が有効です。
3面接着の場合は目地端に加え目地底もプライマーを確実に塗布して、
シーリングの接着力強化を図る必要があります。
ノンワーキングジョイントで使用するシーリング材は高弾性品が適しています。
バックアップ材
バックアップ材は、
目地の厚み(目地底の深さ)を調節する部材です。
目地幅は10mm前後が適当で、目地深さは目地幅同等程度が標準です。
目地深さが10mmを超えるときには、バックアップ材で目地深さを調整します。
バックアップ材の材質
一般的なバックアップ材は発泡ポリエチレン製です。
・弾力性がある
・シーリング材を支持するだけの強度がある
・シーリング材と接着しにくい
を満たした素材が適しています。
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コラム執筆者:一級建築士 佐藤静