FRP防水の屋上駐車場はFRP防水でしか改修できませんか?
社員・パートさんたちが使う屋上駐車場はFRP防水とのこと、
ドラッグストア店長さんからお問い合わせがありました。
「この建物を建てた建設会社さんから、”屋上はFRP防水でしか施工出来ません”
と言われたのですが、ほかの防水種類での改修は無理なのでしょうか?」
現地調査に伺い、見解と改修工事の際、選択可能な防水種類をご説明しました。
屋上防水は建築場所、建物用途、建物構造で選択可能な防水種類が変わります
小規模店舗の新築時ですと建築場所の都市計画の用途地域の区分、防火地域、準防火地域の内外、
建物構造の違いにより建築基準法上の規制条件が変わり防水種類に制限が生じることがあります。
新築時の図面で建物構造や屋上床の構造(断面構成)などを確認したところ、
ウレタン防水など他の防水種類を使って施工しても問題のない建物でした。
屋上駐車場の防水改修工法
屋上が駐車場になっている場合、建築基準法に適合した防水種類であることは当然であり、
さらに車両重量、タイヤによる摩擦や捻転に十分耐える防水層で無ければなりません。
構造的負担を軽減するため防水層自体が軽量であることも重要であり、以下に掲げる防水種類が適しています。
(1)超速硬化ウレタン樹脂
超速硬化ウレタン防水材を使いますので短期間で屋上を開放(使用)することができる防水工法です。
超速硬化ウレタンの物性は高強度樹脂であり軽量であるうえに、
ウレタン単一の材質であるため、材料の層間剥離が生じにくい大変優れた工法です。
1.指で触って痕がつかなくなる指触硬化時間は15~30秒程度、
30分程度で歩行可能な状態になる超速で硬化する防水材です
2.ウレタン防水の施工を機械化することで品質の均一化と作業の効率化を実現し、
短時間で均一なシームレスの防水層を形成することのできる工法です
3.超速硬化ウレタン樹脂は、無溶剤、無触媒で可塑剤も含まないため環境に優しく安全性に優れています
4.耐薬品性、耐熱性、接着性、ひび割れ追従性、耐磨耗性、防水性に優れています
5.万一、防水層の一部が破断破損しても、劣化した部分のみの補修が可能です
超速硬化ウレタン・ポリウレアシステム
安定した高い品質での施工が可能
特殊機械システムによるスプレー吹付け施工です。
機械が自動的に温度コントロールするため、
夏の猛暑や厳寒の冬でも高い施工品質が期待できます。
一年を通じて安定した物性を持った防水層が形成できるうえに、
数十秒で硬化するため天候の影響をほとんど受けません。
優れた超速硬化ウレタンの物性
・耐薬品性
・耐酸性
・耐アルカリ性
・耐塩素性
・耐温水性
・200%以上の伸張率と
・18N/㎜2以上の強靭な引張強度
・塩化物イオンや炭酸ガス透過抵抗性が極めて高い
・80℃の加熱処理および-50℃の環境下でさえも物性は低下しない
(2)複層硬質ウレタン防水
硬質ウレタン工法は3層の複層に分けてウレタン防水層を構築します。
現在のFRP防水層は撤去した方が層間剥離の心配が無くなりますが、
工期短縮や早期の駐車場使用を優先する場合は現在のFRP防水層の上に、
層間下地処理を施して施工することも可能ではあります。
下地コンクリートに面した基層は軟質ウレタンを使い、
下地の挙動を吸収しクラックの発生を抑制します。
2層目は少し硬質のウレタンで施工し、
3層目は強硬度ウレタンで施工することで、タイヤなどの摩耗から防水層を保護します。
超速硬化ウレタンと違い吹き付けを行わないため、風などの影響を受けず安定的な施工を可能とします。
1.防水層を複層に分けることにより、各層に役割を与え確実に駐車場防水層を形成します
2.改修工事など、既設防水撤去後のスピーディーな雨養生を可能とします
3.万が一防水層が破断しても、劣化した部分のみの補修が可能です
4.風等の影響を受けないため、部分補修など安定的な施工が可能です
(3)ウレタンFRP複合防水
ウレタンFRP複合防水工法はウレタンの柔軟さとFRPの強靭さの両方を合わせ持ったバランスの良い工法です。
下地に接するウレタン層は下地の挙動を吸収しひび割れ等の不良発生を防ぎ、
FRP層は耐候性、耐久性、耐熱性、耐薬品性に優れ軽量かつ高強度な性質を持っています。
ウレタンとFRPを確実に接着させるため熟練の施工技術が必要な工法です。
(4)FRP防水
FRP防水はガラス繊維マットを敷設したのち、
エポキシ樹脂あるいはポリエステル樹脂で塗り固める防水工法です。
耐候性、耐久性に優れ、耐熱性、耐薬品性にも優れた軽量かつ高強度な性質を持つ防水種類です。
FRP素材は非常に強靭で耐久性能が高い材料ですが下地の動きの影響を受けやすいため、
軟質層を設ける又はガラスマットを2層以上積層する仕様が適しています。
現在のFRP防水層の数カ所程度においてトップコートが剥げていたり、
エポキシ樹脂層が剥がれていて、ガラスマットに不良不具合がない状態であれば、
エポキシ樹脂やポリエステル樹脂による部分補修とトップコート塗りで問題ありません。
駐車場全体でガラスマットが表面に現われている状態ですと、
FRP防水全体を一度剥がして、新たなFRP防水あるいは他の防水での施工が適当です。
ケイ酸質系浸透性防水はお薦めしません
ケイ酸質系塗布防水材というものがあり、この防水材を薦める業者さんもいらっしゃいます。
ケイ酸質系浸透防水材はコンクリートに含侵し結晶体を緻密にすることで防水効果を発揮します。
水が浸入する毛細管空隙を閉塞してコンクリート自体の防水性能を高める優れた材料です。
が、浸透性防水材が含浸するのは表面から概ね2mm~3mm程度の深さまでです。
この数mm以下の表層部に含浸し結晶体コンクリート中の毛細管空隙の充填を行うものです。
つまりコンクリート表面下3mmまでの毛細管状のひび割れを塞ぐ工法です。
現在発生しているひび割れに対しては効果がありますが、
施工後に生じるひび割れに対しては効果を期待することはできません。
屋上駐車場は常に振動や過酷な荷重を受け続けているため、
コンクリートはひび割れしやいので弾性、柔軟性、伸縮性に劣る防水材は不向きです。
施工はスピーディーで簡単なため工期短縮が可能で、コスト削減に貢献できる防水工法です。
新たにひび割れが発生しにくい箇所であれば問題なく使うことができる防水工法ではあります。
屋上駐車場の防水改修工事には、
アスファルト防水とシート防水は適さない種類です
アスファルト防水の場合は、防水層を守るための保護コンクリートの施工が必要になります。
新築時であれば保護コンクリートの重量を加味した構造計算に従い建築すれば問題ありません。
が、改修時は保護コンクリート重量を加味した構造計算の再計算が必要になったり、
構造補強や建築確認の再取得などが必要となる場合が多くあります。
シート防水の場合は、車両タイヤから受ける捻転力、摩擦力などにより、
シートの捻じれや剥がれが生じやすいため、屋上駐車場の防水改修工事には適しません。
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