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大規模修繕工事 コンクリートひび割れの補修工法

コラム

コンクリートひび割れの補修の目的

コンクリートのひび割れはコンクリートの劣化そのものであり、
また今後、劣化がさらに進行すると構造上の不安が増すことは明白です。

・耐久性の回復と向上
・第三者危害の除去や低減

が、ひび割れ補修の目的となります。

コンクリート補修の目的の中に構造に関わる耐荷性の回復・向上は通常は含まれてはいません。
が、耐荷性、力学的な性能を回復させるための対策までをも補修と考える場合もあります。

 

コンクリートひび割れの補修工法

 

コンクリートひび割れの補修工法は、

(1)ひび割れ被覆工法

(2)注入工法

(3)充填工法

の3つがあります。

ひび割れが生じた要因やひび割れの程度に応じ、適切な工法を選定し、
場合によっては複数の工法を使ってひび割れの補修を行います。

 

(1)ひび割れ被覆工法

ひび割れ被覆工法は、微細なひび割れの上に、
ひび割れ追従性に優れた表面被覆材や目地材(シーリング材)などを塗布する工法です。

日本コンクリート工学会の基準では、0.2mm以下が微細なひび割れとしています。

コンクリートひび割れを被覆することにより、
水分、炭酸ガス、酸素及び塩分などがひび割れから侵入することを遮断し、
結果、劣化進行を抑制しコンクリートの耐久性を向上させる工法です。

 

代表的なひび割れ被覆材としては、以下のものがあります。

・浸透性吸水防止剤:シリコン系、シラン系

・厚膜塗料:単層弾性塗料など

・建築用仕上塗材:複層塗材、厚付仕上塗材など

・塗膜防水材:防水型複層塗材など

 

現場施工のため、容易にかつ能率よく作業が行える材料が使われます。

 

(2)注入工法

 

注入工法は防水性および耐久性を向上させる目的のほかに、
使用材料によっては、躯体の一体化を図ることも可能になります。
このような長所を持つ注入工法は、
コンクリート躯体全体に発生したひび割れの補修工法として最も普及しています。

日本コンクリート工業会では、
注入工法での補修に適したひび割れ幅は0.2mm~1.0mmとしています。
特殊な例として、揺変性(粘性)を付与したエポキシ樹脂を使用する場合は、
ひび割れ幅5mmまでは注入材の流下を防ぐことができるとしています。

 

(a)注入材料

注入する材料としては次の種類があります。

 

(ア)エポキシ樹脂

・接着性が高い
・躯体の一体化を図ることができる
・低粘度のもの(揺変性付与)はひび割れ幅が広くても注入剤が流れ出ない
・伸び率50%以上の性能を有する可とうエポキシ樹脂がある
・耐久性は30年以上の実績がある

 

(イ)アクリル樹脂

・エポキシ樹脂に比べて安価
・耐汚染性に優れている
・硬化が早い
・作業性が良い

 

(ウ)セメントペースト、ポリマーセメント

・化学樹脂系に比べて安価
・熱膨張率がコンクリートに近い
・湿潤箇所でも使用できる
・鉄筋に対する防錆効果がある
・ポリマーセメントスラリーは0.05mm幅にも注入が可能

 

(b)注入方法

 

現在主流の注入方法は専用の治具を使った低圧による注入です。
スプリングやゴムを利用して注入圧力0.4MPa以下の低圧で時間を掛けて注入していきます。

この工法の特徴は次のとおりです。

・注入剤の量を管理することができる

・注入精度は作業員の熟練度の影響を受けない

・ひび割れ幅が0.05mm以下の狭い場合でも確実に注入可能(ポリマーセメントスラリー)

 

 

(3)充填工法

 

充填工法は1.0mm以上の比較的大きい幅のひび割れの補修に用いる工法です。
ひび割れに沿ってコンクリートをカットして、その部分に補修材を充填します。
この方法は鉄筋が腐食していない場合と、腐食している場合とで補修手順が異なります。

 

(a)鉄筋が腐食していない場合

 

ひび割れに沿って約10mmの幅でコンクリートをUまたはV形にカットした後、
カットした部分に補修材を充填します。

 

・ひび割れに動きがある部位の場合の充填材

ウレタン樹脂やシリコン樹脂などのシーリング材(目地材)や、
可とう性エポキシ樹脂などの変形追従性の大きい材料を充填します。

 

・ひび割れに動きが無い部位の場合の充填材

ポリマーセメントモルタルの充填が一般的です。

 

(b)鉄筋が腐食している場合

 

鉄筋が腐食している場合は、中性化や塩害が考えられます。
鉄筋の裏側までコンクリートを斫り、鉄筋の錆を充分に落として、
鉄筋の防錆処理を行った上でプライマーの塗布を行った後、
断面修復材を充填することで断面を復元します。

断面修復材には、次のものを用います。

・ポリマーセメントモルタル
・樹脂モルタル
・セメントモルタル
・軽量エポキシ樹脂モルタル
・ポリエステルモルタル

 

補修面積が比較的小面積であることが多いため、
ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタルやエポキシ樹脂モルタルを、
左官コテを使用して充填するのが多く用いられる補修方法です。

 

 

ひび割れ以外のコンクリートの補修

 

コンクリートの劣化・不良はひび割れだけではありません。
マンション、ビルの大規模修繕工事実施時は、
(1)~(4)の工法ははほとんどの建物で行われている補修です。

 

(1)断面修復工法:爆裂落下などで欠損したコンクリート断面の復旧

(2)表面被覆工法:塩害、凍害、中性化、アルカリシリカ反応などの劣化抑制

(3)含浸材塗布工法:コンクリート表面からの物質浸透による劣化抑制

(4)剥落防止工法:タイル浮きやモルタル浮きの落下防止対策

(5)電気化学的補修工法:塩害や中性化による劣化の停止、回復
・電気防食工法:塩害による鉄筋腐食反応の停止
・脱塩工法:塩害の塩化物イオンの除去と鉄筋の不動態化
・再アルカリ化工法:アルカリ性の回復
・電着工法:CaイオンやMgイオンを電着物として析出

 

特にタイルの剥落防止工法は、
ほぼ100%と言って差し支えの無い確率で実施されている補修です。

タイル剥落防止工法に関しては以下のコラムも是非ご参考にしてください。

https://tokyobousui.com/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%A4%96%E5%A3%81%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E6%B5%AE%E3%81%8D%E3%82%84%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB%E5%89%A5%E3%81%8C%E3%82%8C%E3%81%AE%E3%81%82

 

 

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コラム執筆者:一級建築士、コンクリート診断士 佐藤静

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