「アスファルト防水 保護コンクリート仕上げ」の屋上はどういった防水種類で改修するのが良いですか?
屋上防水「アスファルト防水 保護コンクリート仕上げ」
の改修工事見積をご依頼くださったお客様のご質問内容をまとめました。
アスファルト防水の保護コンクリートの役割・目的は、
前回のコラムに書いてございますので是非ご参照ください。
「アスファルト防水 保護コンクリート仕上げ」の改修時の注意点
保護コンクリートの下にはアスファルト防水層があります。
保護コンクリートはそのアスファルト防水層を保護する目的ですので、
保護コンクリート自体には防水性能はほとんどありません。
保護コンクリートの上にウレタン防水やFRP防水を施工することがあります。
これは表面のひび割れなどを補修する(隠す)程度のことと考えての施工と思われます。
中途半端な費用、知識、技術による施工ですと、時間を経ることなく防水性能は低下していきます。
しっかりとした知識に基づき確実に施工してくれる専門業者に依頼することは、
最終的には費用を抑えると共に安心を得ることに繋がるものと考えます。
「アスファルト防水 保護コンクリート仕上げ」の改修に適した防水種類・工法
保護コンクリートの撤去は相当の事情が無ければ行いません。
通常は保護コンクリートの上に新しい防水層を作ります。
保護コンクリートは撤去しないので、
新しい防水層は軽いものが適していることは言うまでもありません。
多くの屋上防水改修で使われる防水種類は次の3種類です。
1.アスファルト防水
2.シート防水
3.ウレタン防水
1.アスファルト防水 歩行不可
厚み8mm前後 重さ8~9kg/m2
(1)トーチ工法
長所
・トーチ工法は溶融アスファルトを使用しないため煙や臭いの発生は少ない工法です。
・シート相互は熱溶着できるので水密性の高い防水層を形成することができます。
短所
・単層防水ではシート相互の接合部や端末処理部に高い施工精度が必要となります。
・ジョイント接合部の処理がまずいと漏水事故につながります。
(2)常温粘着工法
長所
・火気をほとんど使用しない常温工法です。
・ドレン周り等の重要な部位はハンドバーナーで溶融一体化することで熱工法と同様の水密性が得られます。
短所
・単層防水ではシート相互の接合部や端末処理部に高い施工精度が必要です。
・またトーチバーナーの使用に熟練度が必要となります。
・ジョイント接合部の処理がまずいと漏水事故につながります。
2.シート防水 軽歩行OK
(1)接着工法
厚さ2~3mm 重さ2~3kg/m2
長所
・単層防水ですので施工スピードの速い工法です。
・シートの重なり部は溶着するため水密性が比較的高くなります。
・化粧性に優れるています。
短所
・シート基材の耐久性は高いのですが接着剤が湿気、水分に弱いため、
防水裏面に水が廻ると加水分解しシート重ね部の剥がれが生じます。
(2)機械的固定工法
厚さ2~3mm 重さ2~3kg/m2
長所
・常温施工が可能であり単層防水の為施工スピードが速い工法です。
・溶着が出来るため接合部の水密性が他のシート防水と比較して高くなります。
・化粧性に優れています。
短所
・下地との接合がビスのみであるため双方の強度確認が必要となります。
・ビス廻りで結露が起こるとディスク・ビス廻りが発錆・劣化し防水層が飛散する事があります。
・次回の改修時に適用できる工法のバリエーションが少なくなります。
3.ウレタン防水 軽歩行OK
(1)通気緩衝工法
厚さ4mm前後 重さ4~5kg/mm2
長所
・1層目の絶縁層が水蒸気による膨れを抑制させます。
・低溶剤型で環境対応型ウレタン塗膜複合防水です。
・塗膜材であるため下地形状を問わず柔軟に防水層を形成することができます。
・シート防水で施工が困難な場所で多用される主要工法です。
短所
・現場で材料を計量・混合攪拌・塗布・乾燥させて防水層を形成するため、
作業員の力量による品質バラつきが発生する懸念があります。
(2)密着工法
厚さ3mm前後 重さ4kg/m2前後
長所
・低溶剤型で環境対応型ウレタン塗膜複合防水です。
・塗膜材であるため下地形状を問わず柔軟に防水層を形成することができます。
・シート防水で施工が困難な場合に多用される工法です。
短所
現場で材料を計量・混合攪拌・塗布・乾燥させて防水層を形成するため、
作業員の力量による品質バラつきが発生する懸念があります。
ウレタン防水の短所は、
「職人の力量・技術差による品質バラツキ」です。
東京防水は熟練の技を持つ職人が揃っています。
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コラム執筆者:一級建築士 佐藤静