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マンション外壁の仕上げに吹付タイルと書いてあります 吹付タイルは普通の塗装とは違うのですか?

外壁改修工事

大規模修繕工事のお見積りをご依頼くださったオーナー様から、
「竣工図面の外壁仕上げは”吹付タイル”と書いてあります。
普通の塗装に見えますが何が違うのでしょうか?
修繕工事ではどんな塗料を使うのでしょう?」

とご質問されました。

 

「吹付けタイル」は複層仕上です

 

吹付タイルは「複層仕上」に分類され、塗装工事ではなく左官工事になります。

 

日本建築仕上材工業会(NSK)講習会資料より抜粋

吹付パターン(模様)例:ヘッドカット

 

複層仕上塗りの基本作業工程

・下塗り:1回
・主材塗り:2回(1回でも可)
・上塗り:2回
の合計5回塗りが一般的です。

機械による吹付作業で施工することが多く、
比較的大きな建物や大面積の建物の外壁仕上げに用いる塗装です。

 

 

吹付パターン例:シポロール

 

 

普通の塗装とは何が違う?

複層仕上の上塗りが、普通の塗装にあたると考えて差し支えありません。

普通の塗装は単層仕上げです。
下塗り+中塗り+上塗りの3回塗りを行い、これで1層の出来上がりです。

一方、吹付タイル(複層仕上)は主材層と+上塗り層の2層仕上げです。
一般的な塗装の総膜厚は0.1~0.15mm前後ですが、
吹付タイルは主材(模様)の厚みが加わりますので数ミリ程度の膜厚になります。

また吹付タイルの主材に使う塗料は、通常の建築塗料よりも粘度が高いものが一般的です。
下塗り材と上塗り材は一般的な建築塗料の中から性能、耐久性、経済性を考慮し選択します。

 

 

 

複層仕上のメリット

1.弾性が高いので基材のひび割れに追従する

2.不燃材料が多いため、防火性能が高い

3.耐候性の高いものが多い

4.耐汚染性に優れている

複層仕上塗材の種類

 

複層仕上塗材は主材の違いにより10種類に分類され、
その耐久性は上塗り材の性能で決まります。

使用頻度が高い複層仕上塗材は、次の4種類です。


(1)複層仕上塗E:吹付けタイル

(2)防水形複層仕上塗E:弾性タイル

(3)複層仕上塗RE:水性エポキシタイル

(4)複層仕上塗Si:水性無機高分子吹付けタイル

 

(1)複層仕上塗E

 

「吹付けタイル」と通称される複層仕上塗材の代表格です。

主材は顔料、短繊維、合成樹脂エマルション、添加剤などで構成された
高粘度の塗材で、タイルガンを用いて凹凸状、ゆず肌状、月面状などの模様を形成します。

仕上げに必ず上塗りを塗装します。
多くはアクリル系樹脂塗料が使用されます。

大型の建築物の場合は、耐久性、耐候性の向上を重視し、
ポリウレタン系樹脂塗料、アクリルシリコーン系塗料などの採用が増えています。

(2)防水形複層仕上塗E

 

「弾性タイル」と通称される壁面防水を目的とした仕上塗材です。

主材にゴム弾性を備えた合成樹脂エマルションを使用しており、
主材層の膜厚が防水性能を左右します。

主材は2回塗りが標準です。
塗膜厚が発生するひび割れに追随して性能を発揮するので、
塗付け量に注意して塗装します。

平均的な膜厚は0.8~1㎜程度で、
躯体からのひび割れ幅は1㎜程度まで追随できるとされています。

開口部廻りなど、ひび割れの発生しやすい箇所は、
主材を増し塗りにすると、更に良い効果が得られます。

保護層の上塗りは複層塗材Eと同様ですが、
防水形の上塗り材は主材に対応できるように軟質系になっています。

(3)反応硬化形複層仕上塗材RE

 

主材に使用する結合材に、
反応硬化するエポキシ樹脂エマルションを使用しているタイプです。

一般的に水系エポキシタイルと呼ばれる仕上塗材で、
基本的事項や作業方法などは複層塗材Eと同じです。

 (4)複層仕上塗材Si

 

主材に無機高分子シリカを用いた複層仕上塗材です。

素地に対する密着性・耐水性・耐候性に優れ、
長期にわたって美観を保つことができます。

 

上塗り材は建築塗料の中か選ぶのが一般的です。
複層仕上の主材はアクリルエマルション系樹脂が多く用いられますので、
アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系と、
通常の建築塗料を選択することが可能です。


現在の上塗りがフッ素樹脂やシリコン樹脂の場合は、
同じ合成樹脂成分を選ぶと剥離などの心配はなくなります。

 

 

改修工事での注意点

 

1.劣化状況を細かく診断し、正しい改修方法を選択する

吹付タイルがコンクリート躯体から浮いている状態を良く見かけます。
その状態のまま上塗り塗装(トップコート)しても、吹付タイルごと剥落するのは明らかです。
吹付タイルを一度剥離して、再度吹付タイルを施工することが求められます。

 

2.高圧洗浄は万能ではありません

外壁には長年蓄積された汚れ、油分、鉄分、酸化物が付着しています。
高圧洗浄だけでは除去できない汚れや異物の付着が多数あります。
手作業によるケレン、サンダー掛け、薬品を使っての除去を必要とする付着物もあります。
丁寧な除去、清掃、拭き取りは健全な仕上げを確保するには必要な作業です。

 

3.下地処理方法の取り決めが重要です

吹付タイルが浮いているあるいは剥離しているかは、接近して初めて発見できることが多くあります。
外部足場設置後に外壁を調査し診断した結果を報告書として提出することや、
改修工事方法や工事単価を予め取り決めておくとトラブルを防ぐことが出来ます。
それらのことを事前に提案してくれる建設会社は信頼できる業者だと思います。

 

 

 

 

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コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

 

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