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公共水道の水圧と ウォシュレットを設置するために必要な水圧

コラム

公共水道の給水管の水圧

公共水道の給水管水圧は、
水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第五条第四項の規定に基づき、
水道施設の技術的基準を定める省令で次のように定められています。

下限は1.5Kgf/c㎡(0.15MPa)、上限が7.5Kgf/c㎡(0.74MPa)で、
理想的な水圧は2.0~4.0Kgf/c㎡(0.2MPa~0.39MPa)です。

これは道路に埋設されている配水管の水圧ですので、
家庭の蛇口での水圧は1.0Kgf/c㎡程度減少するのが一般的です。

さらに平野部は理想に近い水圧を保つ事ができますが、
山間地にある場合は上下限に近い水圧になることがあります。

それは標高が高いところは水圧が低く、
標高が低い所は水圧が高くなるためです。

便器タンクやウォシュレットが動作するために必要な最低水圧

トイレ便器やウォシュレットが正常に動作するには、
各機器と水道給水管が接続されている箇所で、
0.5Kgf(0.05MPa)の水圧が必要です。

1階はウォシュレットが動作する0.5Kgf以上の水圧があったのですが、
3階の水圧は0.5Kgf以下でしたので増圧ポンプを新たに設けて、
3階にウォシュレットを導入した経験があります。

 

3階建て以上の建物にお住まいの方のうち、
直結給水方式で水道給水を受けている方は水圧が不足することがあります。

ウォシュレットや食器洗浄機の動作が不安定な時は、
水圧不足が原因のこともありますのでご注意ください。

東京都水道局ホームページより抜粋

水道給水管の水圧の低い都市

アメリカニューヨークの公共水道管は
敷設から100年以上を経ているため水圧が低い都市の一つです。

建物内の水道管も老朽化が進んでいるため、
高い水圧を掛けることができません。

歴史のある有名ホテルでも、
シャワーの水量が少ないと感じるのは、
給水設備の老朽化で高い水圧を掛けることができないためです。

ウォシュレットの動作が可能な
最低水圧を確保するための修繕工事


ウォシュレットが正常作動するための最低水圧以下の都市では、
ウォシュレットの設置は絶対無理なのでしょうか?

そんなことはありません。
建物内部の水道管について次のような工事を行えば、
ウォシュレットの設置は可能となります。

ニューヨークでは高級マンションを中心に水道管の更新工事が進み、
ウォシュレットの設置も加速度的に普及しているようです。


・給水管を塩ビ系の管種に更新する敷設替え
・増圧ポンプによる加圧

東京都水道局

東京都水道局のホームページでは、
給水方式をとてもわかりやすく解説してくれています。

さらに貯水槽方式から直結給水方式へ切り替える際の
アドバイスも掲載しています。


給水方式の切り替えをご検討されている方は、
是非ご参照になさってください。

東京都水道局ホームページ

https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/chokketsu/houshiki.html

東京防水は大規模修繕工事、防水工事、外装改修工事に関連する、
電気工事(高圧及び低圧)、給排水工事、空調工事など、
各種設備工事の施工対応も可能です

 

コラム執筆者:一級建築士 三種電気主任技術者 佐藤静

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