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大規模修繕工事を実施するとき、建築基準法に関する申請、届出は必要ですか?

外壁改修工事

A:一般的な大規模修繕工事だけであれば、建築基準法上の申請や届出は必要ありません

 

 

一般的な大規模修繕工事の工事内容

通常行われている大規模修繕工事は、
主として次のような工事内容になります。

 

・屋上、バルコニー、外廊下の防水工事

・コンクリート外壁のひび割れ修理

・タイル外壁の浮きや剥落部分の修繕

・外壁の伸縮目地などのシーリング工事

・外壁の塗装工事

・玄関ドア、手摺、MB扉、鉄部などの塗装工事

・エントランスや他共用部の修繕、修理

・動作不能や機能が損なわれた設備機器の修理、交換

 

これらの工事のみを行う場合、
建築基準法上の申請や届出は必要ありません。

 

 

 

建築確認の申請が必要となる工事

建築基準法第6条に定める建築確認の申請が必要となるのは、
次のような工事を行うときです。

1.床面積10㎡以上の増築がある場合
  (防火地域、準防火地域は増築面積に拘わらず全て必要)

2.主要構造部の一種以上の過半の修繕
  

  主要構造部=壁、柱、床、はり、屋根、内部階段

  修繕:既存部分を、ほぼ同じ位置、ほぼ同じ形状、ほぼ同じ材料
     で造りかえて性能や品質を回復する工事

  造りかえる:表面の化粧材(タイルなど)の交換・修繕や、
        塗装塗り替えは造りかえではありません

 

3.主要構造部の一種以上の過半の模様替え

  模様替え:既存部分を、異なる材料や仕様で造りかえて、
       性能や品質を回復する工事

4.建築面積、床面積に変更が生じるとき

  例えば、


  ・庇の出が1m以上になるとき
  ・集合エントランスに庇を新設するとき
  ・バルコニーの出幅が2m以上になるとき
  ・屋外階段や開放廊下に目隠しパネルや防風パネルを設置するとき
  ・カーポートを設置するとき
  ・半外空間の駐車スペースに壁を設けるとき
  ・ゴミ置き場などを新設するとき

 

  これらの工事では建築面積や床面積に変更が生じることがあります。
  建築確認の申請が必要か否かは個別に検証が必要です。

建築基準法以外で申請、届出が必要となるもの

1.機械等設置届(外部仮設足場の設置時)

仮設足場を設置するときで以下に該当するの場合は、
労働基準監督署への届出が必要です。

 

労働安全衛生法


足場の高さが10m以上で組立から解体までが60日以上の場合には、
設置工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長に届けなければならない


戸建住宅のように10m未満の仮設足場の高さであったり、
60日未満の工期であれば提出の必要はありません。

2.道路使用許可

仮設足場設置などのために一時的に車両を長時間停車させる場合は、
道路交通法第77条第1項1号の
「道路において工事もしくは作業をしようとする行為」
に該当し、警察署長の許可を取得する必要があります。

一定の要件を備えていれば許可を取得することは容易です。

3.道路占有許可

仮設足場などが道路にはみ出さざるを得ないときがあります。
その場合は道路法32条の臨時的設置物にあたり、
道路にはみ出した部分(上空を含む)を占有するための許可取得が必要です。

4.労務関連

 現場事務所を開設しかつ事務員が常駐する場合、
 あるいは常時10名以上の作業員が労働する建設現場は、
 労働基準監督署に適用事業報告ほかの届出が必要になります。

東京の大規模修繕工事、防水工事、外装修繕工事は、
千代田区西神田の東京防水にお任せください

 

コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

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