大規模修繕工事 長期修繕計画
長期修繕計画は何が良いの?
長期間、健全な建物を保有・維持していくには、
適宜、不具合箇所の機能回復や新しい機能付加が必要です。
建物の長期修繕計画を作成することで、
健全維持に必要な費用と実施すべき修繕時期を、
非常にわかりやすく簡単に知ることができます。
一般的には30年にわたる長期修繕計画を作成します。
修繕に必要な費用と工事のタイミングが、
一覧表にすることで一目瞭然です。
長期修繕計画は、
最も経済的に建物を健全に維持するためのツールです。
長期修繕計画は、
定期的に見直しましょう
長期修繕計画は一度作ってしまえば終わりということではありません。
建物は1年に一回程度、専門家に目視調査や打診調査をしてもらい、
不具合や劣化の進行状況を把握することで、
修繕時期や修繕費用の見直しを行いまうs。
これは人間の健康診断と同じことです。
地震や台風あるいは近隣で被害が生じた自然災害の後にも、
調査を行うことは非常に良いことです。
修繕時期の目安
長期修繕計画を作成する上で、
建築資材の耐用年数を知ることは大変重要なことです。
建物に使われている主な建築資材の耐用年数を見てみましょう。
1.屋上防水:10~15年
屋上、バルコニー、外部廊下の防水は、
どの防水をとってもおおよそ15年程度です。
(合成高分子ルーフィング協会)
2.タイル:5~10年前後
外的要因(振動、日射)やタイル自体の品質(あざ、空気混入など)
に左右されますが、5年程度でクラックや軽微な浮きが生じはじめます。
一度は発生した不具合・劣化は自然に治ることはありません。
劣化が進行し第三者に危害を及ぼさないように、
応急処置を施さなければならない箇所も出てくるでしょう。
3.外壁などの塗装:7年~10年
一般的な塗料は7年~10年程度で劣化現象が現われはじめます。
耐久性・耐候性の高いフッ素樹脂塗料でも、15年程度です。
新築時の塗装でフッ素樹脂塗料を使うのは非常にレアケースです。
外部鉄部は塗膜剥離が早く表れる部位ですので、
外部階段や鉄製手摺は錆が顕著に表れますなります。
国土交通省の長期修繕計画ガイドライン
国土交通省は、
マンションの長期修繕計画作成のガイドラインを発行しています。
最新改訂は2019年6月です。
その中で、大規模修繕工事の推奨実施時期を12年~15年としています。
改訂前は12年としていましたが、改定後は幅を持たせた記述に変わりました。
大規模修繕計画の例
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインの最後の方に、
長期修繕計画の見本が掲載されています。
非常にわかりやすく参考にするのに適した表になっています。
どの時期にどこを修繕するのか、
外部足場が必要な工事と、
外部足場が無くても出来る工事を分けることも
工事費を安価に抑えることに繋がります。
専門家に相談しながら長期修繕計画を作成し、
出来るだけ効率的に安価に建物を維持管理する方法を模索しましょう。