大規模修繕工事 工事実施の周期
「新築後、どのくらいで大規模修繕工事を行わなければなりませんか」
あるいは「前回の大規模修繕工事から何年周期で工事すべきですか」
と質問を受けることがあります。
国土交通省のガイドライン
法律で決まった実施時期はありません。
国土交通省はマンションの「長期修繕計画作成ガイドライン」
の中で、大規模修繕工事の実施時期を12~15年と記載しています。
直近の改訂は2021年9月に行われました。
改定前の大規模修繕工事の実施時期は12年としていましたが、
改訂によって幅を持たせた記載に変わりました。
マンション大規模修繕工事を実際に行った事例データが多く蓄積され、
材料や工法の進歩によって建物の長寿命化が可能となった為と考えられます。
ガイドラインに記載されている修繕周期の目安
ガイドラインの最後の方に、長期修繕計画表の見本が載っています。
そこに記載してある修繕周期の目安は以下の通りです。(一部抜粋)
1.屋上防水、バルコニー防水、シーリング、塗装の修繕:12年~15年
2.空調・換気設備取替え:13年~17年
3.電灯設備取替え:18年~22年
4.給水管、排水管の更生:19年~23年
同上 の取替え:30年~40年
5.自動火災報知設備取替え:18年~22年
国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」URL
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001600130.pdf
大規模修繕工事の周期は、
建築材料の耐用年数が関係します
大規模修繕工事の周期は、
建築材料の耐用年数により決まるのが一般的です。
例えば、
外壁や外部鉄部の塗装に使う合成樹脂塗料の耐用年数を比較します。
・アクリル塗料:5~8年
・ウレタン塗料:7~10年
・シリコン塗料:10~13年
・ラジカル塗料:12~15年
・フッ素塗料:15~20年
・無機塗料:15~25年
耐用年数と価格の関係
一般的に耐用年数が長いと、
建築材料の価格は高くなる傾向にあります。
・次回の大規模修繕工事の時期と工事内容
・外部足場の設置のあるのか無いのか
などを考慮して長期修繕計画を立てます。
使用する材料のグレード(耐用年数)が、
過剰(無駄)にならない計画にすることが肝要です。