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屋上防水工事の脱気筒は必要ですか?できれば無い方が良いのですが・・・

大規模修繕

他社さんで、屋上防水を改修されたお客様から、

「屋上の真ん中に煙突のような脱気筒が設置されて、
屋上を使うときに邪魔になるので出来れば無い方が良いのですが・・・。
工事の人は取ることは出来ないって言うのですが、本当ですか?」

というお電話によるご相談を受けました。

屋上防水の改修

 

現在の防水層に破れ、剥がれ、傷がある場合は、
防水層の下側(裏側)に雨水が廻っています。

その場合、小さな凹みなどに水が溜まっていたり、
コンクリートが不必要な水分を蓄えたりしています。


防水層の下に廻った水分を自然乾燥で蒸発させることは、
長い時間を要し非常に難しい作業になります。
最も簡単な方法は、既存防水層を全撤去することです。

 

しかし、防水層の撤去費用と産業廃棄物の処分費用は、
皆様のご想像をはるかに超える高額な費用です。

 

よって現状の防水層を撤去することなく、
その上に新しい防水層を覆い被せるカバー工法が、
最も安価に施工できる防水層の改修工法になります。

ウレタン防水の場合、通気緩衝工法と機械的固定工法があり、
現在の防水層の状態にもよりますが、多くの場合、通気緩衝工法を採用します。

シート防水での改修は接着工法と機械的固定工法がありますが、
強風による捲れや捩れを防ぐには機械的固定工法が適しています。

ウレタン防水通気緩衝工法 通気緩衝シート敷設状況

脱気筒は、防水層下のコンクリート床に貯まった水分、
コンクリート内部の水分を大気中に蒸散させるための装置です

脱気筒は現在の防水層の下に抱え込んでしまった水分を、
大気中に蒸散させるための出口の役目を果たしています。

新たな防水層(膜)で水分を含んだ状態の屋上を覆うことは、
水分をその膜の中に閉じ込めてしまうことになります。

そして閉じ込められた防水層(膜)内の水分は
照りつける太陽の熱で水蒸気へと変化します。

水蒸気が増え続けると水蒸気圧が高まり、
その圧力は接着部分を剥がしたり、
防水膜自体を風船のように膨らませたりし、
防水材の強度限界を超えると防水膜が破れます。

そのような状態にならないよう水蒸気を大気中に排出するのが脱気筒です。

脱気筒の位置はなぜ中央部なのですか?

屋上のコンクリート床は平坦に見えますが、
雨水がドレンに向かって自然に流れるように勾配がついています。

そしてこの水勾配は屋上中央部を最も高くし、
ドレンに向かって勾配をつけるのが一般的です。

 

暖かい空気や水蒸気は上に昇る性質がありますので、
コンクリート床の最も高い位置の屋上中央部に脱気筒を設置し、
水蒸気の自然排出を行うのです。

屋上中央部が一番高いとは限りませんので、
その場合は勾配の最も高い位置に脱気筒を設置します。

脱気筒からの水蒸気の蒸散により、
新しい防水層膜の破れや破壊の心配はなくなります。

脱気筒は水勾配の一番高い所に設置します

脱気筒の設置手順

1.脱気筒設置位置決定、固定用ビス穴穿孔



  通気緩衝シートの裏側を僅かな勾配に沿って
  上昇してきた水蒸気は、脱気筒から大気中に蒸散されます
  

  脱気筒を設置する箇所のシートを2~3cm四方程度の大きさで、
  カッターなどを使い切り裂きます。

  固定はコンクリート躯体にドリルで穴をあけ、
  専用のアンカービスを使用します。

電動ドリルで固定用のビス穴を削孔
専用ビスで固定

2.脱気筒とシートの間の隙間を防水シーリング材で埋めます

シートと脱気筒の接着部分隙間を防水シール材で塞ぐ作業

3.2次防水としてメッシュテープ補強、防水シール材で目埋め

補強メッシュシート張りと防水シール材で目埋め(予備防水)

 


見えなくなる、隠れてしまう箇所まで、
丁寧に確実に施工することは、高い品質の防水工事の秘訣です。

 

 

東京の大規模修繕工事、防水工事、外装改修工事は
千代田区西神田の東京防水にお任せ下さい

 

コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

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