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FRP防水のバルコニーを、ウレタン防水で改修することは可能ですか?

コラム

他業者さんで屋上の防水改修工事の見積りを取られたお客様から、

「現在はFRP防水です。
 それをウレタン防水通気緩衝工法で新しく防水して貰いたいのですが・・。
 他業者さんから見積を取りまして、その業者さんは、FRP防水の上に、
 ウレタン防水の施工はできないと言うのですが、本当でしょうか?
 そのことも含めてご相談をしたいと思ってます。」

とのご連絡を頂戴しました。

A:FRP防水の上にウレタン防水を施工することは可能です

既存のFRP防水をウレタン防水で改修することは可能です。
劣化の激しいFRP防水は硬化が進んでますので、
むしろウレタンのような弾性のある防水材の方が適しています。

FRP防水の表面劣化がそれほど進んでいなければ、
ウレタン系トップコートを塗るだけで機能回復を図れるケースもあります。

FRP防水が戸建住宅で多用される理由


バルコニーをFRP防水で施工する理由の多くは、
建築基準法の防火規定をクリアするためです。

防水下地を木製合板などで作り、防水面積が比較的小さい建物の場合、
安価で簡便に建築基準法をクリアすることができるのがFRP防水です。
詳しくは、FRP防水材工業会のホームページが参考になります。

http://www.fbk-bousui.jp/bouka.html

FRPガラス繊維マット

FRP防水に適したウレタン防水の種類

上で述べたように建築基準法上の防火規定をクリアするウレタン防水は、
国土交通大臣による「飛び火認定」を取得した製品を使わなければなりません。

また、現在のFRP防水の劣化度合に適した工法で施工しないと、
短期間で新しいウレタン防水が切れたり浮いてきたりします。

ウレタン防水を熟知した、ウレタン防水の施工に慣れた業者の選定が重要です。

1.通気緩衝工法

  既存のFRP防水の上に通気緩衝シートを敷設します。
  敷設する理由は大きく二つです。
  

  (1)FRP防水下に紛れ込んだ水分、水蒸気を外気に排出する


  (2)FRP防水と縁を切ることで、
     熱伸縮相違やFRP防水のひび割れなどからの悪影響を遮断する

通気緩衝シート敷設後、
ウレタン樹脂を2層にして塗り均し、
最後にトップコート1層を塗って仕上げます。
通気緩衝工法はもっとも安心できる防水工法(仕様)です。

FRP防水のベランダをウレタン防水通気緩衝工法で改修
通気緩衝シート敷設状況
ウレタン防水通気緩衝工法 完成

 

2.密着工法

  密着工法は、既存のFRP防水に直接ウレタン樹脂を塗り均し、
  密着させて防水膜を形成する工法です。

  ウレタン樹脂は2層に分けて塗り、トップコートは1層塗って完成です。

  FRP防水のひび割れや裂傷がごく僅かで、面積が小さいベランダなどは、
  密着工法での施工も可能です。

ウレタン防水密着工法 施工前

 

ウレタン防水密着工法 完成

 

3.トップコート塗り直し

Fひび割れが無く、トップコートが剥げているだけのFRP防水は、
トップコートの塗り直しだけで防水機能を維持・回復させることが可能です。

FRP防水はポリエステル樹脂を使った防水ですので、
トップコートにもポリエステル樹脂を使うことが多くなります。


が、FRP防水材工業会は、
アクリルウレタン樹脂やアクリルシリコン樹脂を、
トップコートとして使用することは問題無いとしています。

ウレタン防水の価格目安

現在の防水層の劣化度、防水下地の状況、施工場所の状況、施工難易度などにより、工事費が変わることはご承知の通りでございます。

それを踏まえた上で、ウレタン防水の工事費目安をご案内いたします。
軽微な下地調整、付属品、材料搬入費などは含んでいますが、
外部足場が必要な場合は別途となります。

・通気緩衝工法   6,500~8,500 円/㎡

・密着工法     4,000~6,500 円/㎡

・トップコートのみ 2,500~4,000 円/㎡

どうぞご参考になさってください。

高すぎるあるいは安すぎる金額の場合は、
内容をお確かめになるなど、ご注意なさることをお薦めします。

東京の大規模修繕工事、防水工事、外装改修工事は、
千代田区西神田の東京防水にお任せください

 

東京防水インスタグラム
https://www.instagram.com/tokyobousui/

 

コラム執筆者 一級建築士 佐藤静

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