笠木の種類と取付方法、笠木からの雨漏り修理
工事管理者から電話で問い合わせがありました。
問題個所の写真が共有され、
実施予定の修繕方法の適否に関する確認でした。
笠木とは・・
笠木は、屋上、階段、ベランダなど腰の高さの壁の頭部に設置します。
笠木を設置する目的は、
・腰高壁の頭部からの雨の侵入を防ぐ
・手のケガや汚れを防ぐ
・デザイン性(見た目)を良くする
頭部からの雨の侵入を防ぐための、
笠(傘)の役割が第一であることは言うまでもないことでしょう。
笠木の取付方法
笠木の取付方法は大きく二つあります。
1.固定金具を使用
アルミ製笠木を固定する場合は、直接工程では無く、
固定金物を使った間接固定が一般的です。
笠木の脱着が容易に行うことが出来るうえに、
一度取り外した笠木を再使用することができる便利な部品です。
2.釘打ち(ビス止め)
笠木が板金加工品(鉄板を曲げ加工)の場合は、直接固定になります。
木造下地の場合は釘打ちを、鉄骨下地の場合はビス留めが一般的です。
笠木の連結部分の隙間
アルミ製品でも板金加工品でも、
日射が直接当たることや気温上昇によっで金属は伸びます。
一定程度の隙間が無いと連接された金属は干渉しあって、
曲がったり波打ったり、酷いときは避けることもあります。
笠木の隙間は5~10mm前後が一般的です。
笠木連結部の防水処理
笠木連結部に作る隙間の防水処理は、
笠木の固定方法と下地の有無によって変わります。
1.取付金具を使用したアルミ笠木
(1)ジョイント金具
隙間から侵入してきた雨水は、
排水機能を備えたジョイント金具によりスムーズに排水され、
通常の雨程度では雨漏りすることはありません。
連接部が30mm以上開いている場合は、
ジョイント金具の外に出てしまう可能性がありますので、
雨漏りの危険性が高まります。
専門家に依頼し笠木位置を修正し、
隙間間隔を調整することで問題はなくなります。
(2)ジョイントカバー
アルミ製笠木にはジョイントの上に被せるカバーが、
付属品としてついてくるメーカーやタイプがあります。
ジョイントカバーを設置すれば雨水の侵入の心配はありません。
2.釘打ち留めの板金笠木
(1)捨て板金がある場合
シーリング材の耐久性が低い時代は、
笠木の下に捨て板金(捨て笠木)と呼ぶ、
頭部を鉄板で下地を拵えた上に笠木を被せていました。
この場合は、万一、表面の笠木隙間から雨水が入っても、
建物内部まで雨漏りしてくる可能性は非常に低くくなります。
隙間部分のシーリング打ち直しなどを行えば、
雨漏りの心配は大きく軽減されます。
(2)カラー鋼板を一枚被せただけの笠木
捨て板金のない笠木は、シーリングが劣化し隙間が生じると、
排水する方法がないので、雨漏りの危険は増大します。
サイディング外壁の場合は、
透湿防水紙を張ることが多いので、
頭部まで防水紙を掛けてくれていれば雨の侵入を防いでくれます。
ALC外壁は透湿防水紙を張ることはありませんので、
雨漏りが生じる可能性は非常に高くなります。
笠木の連結部をブリッジシーリングすることが、
簡便かつ確実な方法です。
ブリッジシーリングに関しては以下をご参照ください。