外壁のコンクリートクラック(ひび割れ)を修繕する方法、工法
ビルやマンションなどの建物のうちタイルが貼られていない外壁はコンクリートあるいはALCで造られている場合が多く、また一般戸建住宅でもコンクリートやモルタルで外壁が造られている建物があります。
これらコンクリートやモルタル外壁にクラックを発見したときは、構造部に雨水が至る前に修繕するのですが、どのような修繕の方法があるかをご紹介します。クラック幅の大きさによって次の3つの方法で修繕するのが一般的です。
被覆工法-クラック幅0.2mm以下の場合
クラック幅が0.2mm以下の微細なクラックの場合は、クラックの追従性に優れた表面被覆材や目地材などをクラック表面に塗布してクラックを塞ぎます。
刷毛やローラーでクラック表面に塗布すると微細クラック内部に薬液が浸透していく浸透接着タイプもあります。
注入工法-クラック幅が0.2mm~1.0mm
注入工法は防水性および耐久性を向上させる目的で実施します。また使用材料によっては躯体との一体化を図ることが可能である工法であるため、コンクリート構造物に発生したクラック補修工法としては最も普及した工法です。
最近はゴムの復元力を利用した治具やスプリングを利用した治具が開発されて、0.4MPa以下の低圧で、かつ低速で注入する工法が主体となっています。
①注入量の管理が可能 ②注入精度は作業員の習熟度の違いによる差がでない ③クラック深度が0.05mmでも確実に注入できる などの特徴があります。
注入材料はエポキシ樹脂、アクリル樹脂などの有機系、セメント系、ポリマーセメント系があります。
充填工法-クラック幅が1mm以上の場合
充填工法は1.0mm以上の比較的大きなクラックの補修に適する工法で、クラックに沿ってコンクリートをカットし、その部分に補修剤を充填する工法です。
約10mmの幅で深さ10~15mmでクラックの中心を外さないようにU字またはV字にカットした後、ウレタン樹脂やシリコン樹脂などのシーリング材や可とう性エポキシ樹脂など変形に対して追従性の大きな材料を充填します。
動きが少ない場所には、ポリマーセメントモルタルを充填することが多くなります。