屋上防水 ウレタン防水はどの工法がお勧めですか?
「見積書にウレタン防水通気緩衝工法って書いてあるけど、
別の業者の見積書にはウレタン密着工法と書いてあるの。
そっちの方が安いので、安いに越したことないのだけど、
工事した後に後悔したくないから、
お互いの工法の違いと 金額差の理由を教えてもらえませんか?」
とご質問を受けました。
ウレタン塗膜防水には
大きく3つの工法があります
東京防水が工法を決める際、
・現在の防水層の種類
・現在の防水層の状態
・施工する面積
などを考慮しています。
一般的な中小規模の建物は手塗りが基本ですので、
現在の防水層の種類別にお薦めする手塗りの工法をご紹介します。
施工する面積が広大な場合はスプレー式を選択します。
<現在がウレタン防水の場合>
密着工法
ウレタン防水の特徴である「増し塗りが可能」を生かした
最も経済的な方法です。
今のウレタン防水の上にウレタン防水を塗る方法です。
既存ウレタン防水の傷みが激しいときは
補強メッシュを敷設することで耐久性が向上し
膜厚を維持することができます。
<現在が露出アスファルト防水の場合>
機械的固定工法がスタンダードな工法です
既存の露出アスファルト防水層の上に改質アスファルト製の防水シートを
専用アンカーピンで部分固定し、ウレタン塗膜防水材を塗布する工法です。
現在の露出アスファルト防水の平滑性は
強く要求しないというメリットがあります。
シートをアンカーピンで部分固定しますので、
ドリル穿孔時やアンカーピンで固定する時に振動や音が発生します。
通気緩衝工法
自着式改質アスファルト製通気緩衝シートを敷設することで
既存アスファルト層からのアスファルト成分の浸食を防ぎます。
また、既存防水層や躯体コンクリートなどからの水蒸気は
シート裏面の通気層を経由して脱気筒から排出させます。
既存防水層との挙動相違や伸縮相違によるウレタン塗膜への影響は
シートの緩衝効果により排除されます。
ただし、既存の露出アスファルト防水の状態によっては
適用できない場合があります。
<現在が押えコンクリートアスファルト防水
の場合>
通気緩衝工法がスタンダードな工法です
膨れの原因となるコンクリート下地からの水蒸気は、
通気緩衝シート裏面の通気層を経由して
脱気筒から排出されるので膨れにくい構造になっています。
また下地コンクリートとの挙動相違、
伸縮相違によるウレタン塗膜へのクラックや割れの発生は、
通気緩衝シートの緩衝効果により排除されます。
密着工法
パラペット、トップライトなどの立上り部分、
施工する面積が狭いとき、複雑な形状の場所での工法です。
東京防水は原則、
メッシュ材を張って補強と膜厚維持を行っています。
<現在がシート防水の場合>
上記写真のように空気膨れやシートのよじれが狭い範囲の場合は、
当該部分を切り取り補強補修を行った上で、既存シートを撤去せず、
その上に以下の工法で新たに防水層を作ることは可能です。
しかし、劣化不良が広範囲に及ぶ場合は、
既存のシートを撤去する必要があり費用が高くなります。
通気緩衝工法
膨れの原因となる既存防水層やコンクリート下地からの水蒸気は、
通気緩衝シート裏面の通気層を経由して脱気筒から排出されるので
膨れにくい構造になっています。
また既存シート防水との収縮のズレ、
挙動の相違によるウレタン塗膜のクラックや割れの発生は、
通気緩衝シートの緩衝効果により排除されます。
機械的固定工法
既存防水層の状態にあまり関係なく施工できます。
アンカーピンで部分固定するので
ドリル穿孔する時やアンカーピンで固定する時に振動や音が発生します。