目地シーリングの打ち替えと施工手順
シーリング材は使用する場所・部位ごとに適切な成分・種類があります
部材と部材の接合部や目地部分を、
止水目的で塞ぐことをシーリングと言います。
シーリング材は、適正に使わないと切れやすく漏水の原因となります。
また、シーリング材が外壁を汚したり、
シーリングの表面を塗装することで
ブリーディング(軟化、滲みなど)を起こすこともあります。
使用する場所や使用する目的に合わせて
適正な成分種類のシーリング材を選ぶことが大切です。
シーリング材の種類と長所・短所
ポリサルファイド系
耐熱性(-20度~80度)に優れ、
表面にゴミ、ほこりが付きにくい性質があります。
表面の仕上性が良好で接着性も安定しています。
一方、高温高湿時に発泡することがあり、
また柔軟性があまり無いのでムーブメントの大きい金属類への
使用には適さないシーリング材です。
シリコン系
耐熱性(-40度~150度まで)と耐候性に最も優れたシーリング材で、
ガラス類との接着性にも優れた特性があります。
一方、シーリング目地周辺を汚染させてしまう弱点があり、
塗装することも出来ません。
変成シリコン系
耐熱性(-30度~90度)に優れ、
シーリング目地周辺の非汚染性にも良好な特性があります。
また、柔軟性がありムーブメントの大きい金属類への使用も可能で
塗装することも出来るシーリング材です。
ポリウレタン系ノンブリードタイプ
耐熱性、耐候性は劣りますが、
塗装後の表面やシーリング目地周辺の非汚染性に優れている、
シリコーン系シーリング材と逆の性質を持つシーリング材料です。
動きのある目地のシーリングは
2面接着が基本です
サッシュと躯体の目地、
タイル・石の伸縮目地などの動きのある場所は、
3面接着ですと切れやすくなりますので、
必ず2面接着にして挙動に追従できるようにします。
特にムーブメントの大きい金属類の目地部は、
2面接着を守らないと雨漏りの原因を作ることになります。
一方、コンクリート躯体の水平打継ぎ目地などのように
動きのない固定目地部は3面接着で施工しても問題ありません。
シーリング打ち替えの手順
1.最初にシーリングの両端にカッターで切れ目を入れ
古いシーリング材を撤去します。
切れ端やゴミが残っていると接着不良を起こしシーリング材が
剥がれたり浮いてくることがありますので、
刷毛などを使ってきれいに清掃します。
2.目地が深い場合やバックアップ材が痩せてしまっている場合は、
適宜判断してバックアップ材の補充充填を行います。
3.シーリングを充填する目地廻りが汚れないように
養生テープ(マスキングテープ)を張ります。
4.バックアップ材を入れられない浅い目地(ハットジョイナー等)
の場合は目地底にボンドブレーカーを貼るか剥離剤を塗布します。
5.シーリング材の接着性を良くするためにプライマーを塗布します。
6.目地幅に合ったノズルを使ってシーリング材を充填します。
7.ヘラやバッカ―で押え均しをして余分なシーリング材を取り除き、
ピンホールや充填不足が無いことを確認し形を整えていきます。
8.シーリング材が完全に乾ききる前に
ピンホールや汚れ等が無いことを確認しながら養生テープを剥がします。
9.目地周辺部に付着した汚れは直ちに拭き取ります。