ウレタン防水とシート防水ではどちらのほうが良いのでしょうか?
オーナー様から屋上防水改修の工事見積のご依頼がありました。
既にA社の見積書があって相見積になりますが・・・とのことでしたが、
弊社は弊社の調査と評価・分析に基づいて見積書を作成させていただきました。
調査報告書と見積書を提出した数日後、お客様からお電話があり
「A社はシート防水、B社と東京防水さんはウレタン防水の見積書なのですが、
どういう違いがあって、どちらの方が良いのかわからないで迷っています。
わかりやすく教えてくれませんか?」
とご質問を受けました。
現在の防水仕様はアスファルト防水保護コンクリートの建物でした。
建物を長く使い続ける場合、
ウレタン防水をお薦めします
ウレタン防水の一番の長所
ウレタン防水は防水材料を塗り重ねて膜を作って防水する工法です。
一番の長所は、何回でもウレタン防水を塗り重ねることが可能なことです。
一番表側(外側)に塗るトップコートは、
下のウレタン防水膜の劣化を防いでくれます。
トップコートの塗り替えを4~7年程度の間隔で行えば、
ウレタン防水は長期間劣化することのない経済的な防水です。
ウレタン防水の一番の短所
一方、ウレタン防水の一番の短所は、
防水層の品質は施工する職人・作業員の腕・技術に大きく左右されることです。
隅々にまで目を配ることが出来、忍耐力のある職人が手掛けたウレタン防水は、
一定の均一な厚さの防水膜が鏡面のように見えて、それは見事なものです。
じっくりと時間を掛けて納得の防水工事を心掛ける職人であれば、
目に見えない隠れてしまう所まで確実な防水層を作ります。
シート防水の一番の長所
シート防水の一番の長所は、ウレタン防水の短所である
施工する職人・作業員による品質差が生じにくいことです。
シートは工場で製造されますので一定の防水性能・品質は保証されます。
シートの重ね部分や折り曲げ部分などは、
接着方法と補強方法に十分な配慮と施工技術が必要な個所となります。
この部分の施工が悪いと高品質の防水は期待できません。
シート防水の一番の短所
シートは塩化ビニル製とゴム製などを使いますが、
シートの柔軟性と弾性を確保するために可塑剤という物質を添加します。
この可塑剤は化学的に結合しているわけではないので、
時間の経過とともに浸出しシートは次第に固くなります。
シートが固くなることで接着部分が剥がれたり、
傷ついた所から破れたり、シート全体がよじれたりする現象が現われてきます。
強風による負圧や偏った方向からの風圧によって、
シートの剥がれやよじれはさらに大きくなることもあります。
これがシート防水の一番の短所です。
また可塑剤はアレルギーをはじめ人体に影響を及ぼす化学物質
であるとも言われています。
経験豊富な職人が行うウレタン防水をお薦めします
ウレタン防水とシート防水の両方の防水に関して、
個人的に一番と思っている長所と短所をご紹介しました。
ご紹介した以外にもそれぞれに長所と短所を持っていますが、
技術があって経験豊富な職人が施工するウレタン防水をお薦めします。