大規模修繕工事とは、どんな工事を行うことですか？　

屋上防水の見積のご依頼を受けた建物を調査したところ、
ALC外壁や外部階段、共用廊下なども劣化が進んでいました。

「外壁にクラックが目立ち、外壁や鉄部の塗装も剥げ落ちてるところが多く
ありますので、参考に大規模修繕工事の見積書も提出させてもらいます。」

とお客様にお話ししたところ上のようなご質問を受けました。

建築基準法や建設業界での解釈、
東京防水社内で共有している大規模修繕の言葉の意味を
改めて整理してみました。

使っている意味がまちまちで、
使い方に決まりが無いことがわかり、
理解しずらい、曖昧な単語だなと気ずかされました。

建築基準法の大規模修繕とは

建築基準法第2条14号で、
「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」と定義しています。

主要構造部は「壁、柱、床、はり、屋根、階段（屋外階段を除く）」部分です。

国土交通省が使う大規模修繕はまちまち？

国土交通省が発行しているマンションの改修や長期修繕計画作成に関する
ガイドライン、マニュアルにも大規模修繕という言葉が書かれています。

「長期修繕計画作成ガイドライン」の用語の定義の項の十五には、
「 建物の全体又は複数の部位について行う大規模な計画修繕工事をいいます。」
と書いてあります。

また「マンションの改修・建替え等について」というレポートでは、
「マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために行う
修繕工事や、必要に応じて建物及び設備の性能向上を図るために行う改修工事
のうち、工事内容が大規模、工事費が高額、工事期間が長期間にわたる工事」
としています。

国土交通省が発行している他のマニュアルなどにも大規模修繕という言葉が
記載されていますが、意味や範囲が違って使われている印象があります。

東京防水の大規模修繕工事とは

東京防水は、機能性能に関して劣化や損傷した部位を復旧、修理する工事
であって、施工場所が複数にわたり外部足場の設置を伴う工事を
大規模修繕工事としています。

具体的には、屋上防水の機能回復、
コンクリートやタイルクラックを修理して建物の劣化を回復させ、
外壁塗装や鉄部塗装による劣化除去と劣化抑制を図るなど、
長期にわたり安全で安定した状態で建物を使用し続けることを可能とする
複数の修繕工事を同時に行う場合を指します。

大規模修繕工事の場合は、劣化度を確認し工事内容・範囲を
決定するための建物調査を行ったのちに、
調査報告書と見積書をご提出させていただきます。

大規模修繕プラス性能向上などの改修工事を伴う場合

住まい方の変化や設備機器の性能向上により
劣化した部分の機能回復や取替えだけでは快適で安全な生活に適さない建物は、
設備などをグレードアップして居住性能を高めまる工事を行います。

建物及び設備の性能向上を図るために行う改修工事は、
以前、東京防水一級建築士のコラム
「ちょっと難しい？防水工事と建築基準法の話」
で書きました建築基準法第6条の建築確認申請にも関わってきます。

建築主事等と協議した結果、
建築確認申請が必要な工事が含まれる場合は、
工事着手前に必ず建築確認申請を行います。

東京防水の建物調査

資格を有した技術者が建物の現況調査を行います。
防水メーカーや塗料メーカーの担当者が帯同することもあります。

現地調査の際は建物図面があると重宝しますので、
ご用意くださると大変助かります。

建物現地調査から数日後には調査報告書をご提出します。
修繕の要求レベルが決まっている場合は、同時に工事見積書もご提出します。

改修工事の要求水準を決めてから見積りいたします

単なる劣化の回復だけでななく、
生活水準の向上を図る機能付加や増築などを伴う工事の場合は、
改修建物の客観的な老朽化度を調査するだけでなく、
現在の建物の居住・使用環境等に関する不満や改善ニーズをお聞きします。

建物をどの程度まで改善したいのか、
要求するレベルを把握し、コストを考慮しながら工事内容を決定します。

その上で、各工事項目毎に数量と単価を記載した見積書をご提出します。

東京23区・東京近郊の防水工事、大規模修繕工事のことなら東京都中央区の東京防水にお問い合わせください。

東京防水ホームページhttps://tokyobousui.com/

ブログ執筆者：一級建築士　佐藤