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大規模修繕工事は建築基準法12条「定期報告制度」も視野にご検討を!

大規模修繕

建築基準法12条の定期報告制度とは

国土交通省は建築基準法12条において、
建物の用途とその規模に応じて建物の劣化状況を調査し、
その結果を報告させる定期報告を義務づけています。

定期報告の義務を課す建物の用途とその規模は
都道府県及び特定行政庁が政令等により定めることになっています。

一例として、東京都のマンションと事務所ビルの場合の、
定期報告が必要となる規模をご紹介します。

  用途            規  模

マンション:5階建て以上でかつ住宅用途の合計面積が1000㎡を超える建物

事務所  :①5階建て以上で延べ床面積が2000㎡を超える建物
      ②3階建て以上で事務所用途の合計面積が1000㎡を超える建物

定期報告を実施すべき建物の所有者の方で、
都道府県または特定行政庁からお知らせの葉書などを受け取られた方は、
報告を行わなかった場合は罰則規定がありますのでご注意ください。

分譲マンションの場合は、
長期修繕計画の中に記載されていることが多く、
竣工後10年~13年頃を目安に実施する大規模修繕工事の際に、
全面打診調査を実施し定期報告書を提出するのが一般的です。

建築基準法12条定期報告の対象建築物 東京都の例

定期報告と大規模修繕の実施時期は
ワンセットで考えましょう

大規模修繕工事を行う際に必要となる外部足場を含めた仮設費用は、
工事費全体の15%~20%近くを占めます。

このことは、2017年に国土交通省が実施した
マンション大規模修繕工事の実態調査でも明らかにされています。

1回目の大規模修繕時は22.9%、2回目では19.2%が
仮設費用が工事費全体に占める割合になっています。

マンション大規模修繕工事における工事金額の内訳。「全体」では、仮設工事が19.2%で2割近くを占める。1回目では22.9%で、2割を超えている(資料:国土交通省)
工事金額の内訳 仮設工事はピンク色

建築基準法12条の定期報告では外壁タイルの調査に関して、


(1)3年毎に目視及び部分打診による調査
(2)10年毎に全面の打診による調査

を実施し、その結果を報告するよう定めています。

タイル外壁の全面打診調査を行うには外部足場の設置が必要となります。
建築基準法12条の定期報告のためだけに、
外部足場を設置することは勿体ないことです。

大規模修繕工事を実施する際に行う打診調査結果を
定期報告に使用することが最も経済的であることは言うまでもありません。

タイル外壁の打診調査に替わる調査方法はないの?

タイル打診調査は、
先端に金属球をつけた棒状のテストハンマーと呼ばれる器具で、
外壁タイルを1枚1枚打診し、浮きや割れが生じたタイルの打撃音の違いや
振動の触感の違いによって不良なタイルを見つけていく地道な調査方法です。

10年毎の全面打診調査は、
一般的に建物全体に外部足場を掛けなければできない調査であるため、
その費用負担が大きいことから、打診調査に替わる調査方法として
次の2つについても国土交通省は認めています。

(1)赤外線調査
(2)有機系接着剤によるタイル張りの場合は、引張接着試験

・赤外線調査

外壁面を赤外線撮影をし温度分布を見て浮きや割れを見つける方法です。
赤外線調査は外部足場が不要ですので、調査費用は格段に安くなります。

ただし隣の建物の陰にあって赤外線撮影が出来ないタイル面、
日光が当たらない面、鏡面仕上げのタイルが張られた面などは
赤外線調査はできません。

赤外線調査が出来ない面は外部足場やゴンドラを設置して打診調査するか、
ロープアクセス工法での打診調査を併用することになります。

・引張接着試験(有機系接着剤張りの外壁タイルに適用)

国土交通省が2018年に、
有機系接着剤を用いて張られた外壁タイルについては
全面打診調査に替わる方法として次のような技術的助言の通達を行いました。

国土交通省技術的助言 有機系接着剤によるタイル張りの調査に引張接着試験を追加

有機系接着剤張り工法は、
既存のモルタル張り工法と比較して
タイルの浮きや落下が生じにくくなります。

が、技術的及びコストの面で課題が多く、
広く普及するにはまだまだ時間がかかる工法です。

今後、技術開発がさらに進み簡便でコストの安い
有機系接着張り工法が普及すると、
定期報告の調査費用の負担が少なくなるかもしれません。

一方、大規模修繕工事は、
建物の安全性確保と資産価値の維持・向上にとって
必要な工事です。

いずれにしても外部足場の設置は必要となりますので、
新築時の有機系接着剤によるタイル張り費用が増大するのであれば、
タイルの有機接着剤張りを懸念する声もあります。

東京23区・東京近郊の防水工事、大規模修繕工事のことなら東京都中央区の東京防水にお問い合わせください。
東京23区を中心に防水工事・大規模修繕工事・止水工事をおこなっています。

東京防水ホームページhttps://tokyobousui.com/

ブログ執筆者:一級建築士 佐藤

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