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大規模修繕工事 目視調査では見つけられなかったタイルの浮きの実例

コラム

これまで経験したことのない、
広範囲かつ甚大なタイル浮きでした

7月から大規模修繕工事を行っているRC造マンションの
外壁タイル浮きの実例をご紹介します。

当該現場を管理しているのは、
一級建築施工管理技士を保有する施工管理25年を超えるベテラン社員です。


40余年建築に携わってきた私も彼もお互いに経験したことのない、
非常に衝撃を受けたタイル浮きで、施工管理の大切さを実感した事例です。

足場設置後に実施した打診調査時のタイル外壁外観
動画 タイル浮き状況 
動画 タイル浮き一部撤去状況 
動画 タイル浮き状況2(別箇所) 

地上からの目視と
手が届く場所からの打診調査では、
ここまで甚大だとは予見できませんでした

オーナー様から工事見積のご依頼を受け、
今回施工管理を担当した一級建築施工管理技士が建物調査に伺いました。

外観を地上から目視し、手の届く範囲は打診調査も行いました。
屋上防水の現況も調査し、一定の経年劣化は認められました。

しかし、外壁タイルの浮きに関しては、
ここまで酷いとは想像できなく見破ることが出来ませんでした。

調査当日にクラウド上に保管された現調写真と建物竣工図面を見て、
私も担当者と同じく、一般的な大規模修繕工事になると考えました。

調査時の外観

調査時の外部階段の状況
調査時の屋上の状況

多少の違和感は感じてはいたのですが・・・・

弁解がましくなりますが、多少の違和感は感じていました。


・1階ピロティの軒水切りのまぐさタイルに貼り替えた形跡があり、
 かつアルミ押さえ金物が併用されていた


・外部階段から手が届く範囲を打診した結果、
 外壁タイルや袖壁タイルに浮き症状が散見できた

・タイル伸縮目地(シーリング目地)周辺に、
 明らかな浮きが目視確認できた


しかし、ここまで浮きが甚大だったとは、
これまでの経験知と想像力を超えていました。

新築時、
施工のどこに問題があったのでしょうか?

1.下地モルタルの無い直貼り工法でした

  本建物のタイル張りは、2000年代初頭に多用された、
  下地モルタルの無いタイル直貼り工法でした。

  さらにコンクリート躯体が鏡面のようにツルツルなため、
  張付けモルタルあるいは接着剤の接着力が
  低減される施工方法が取られていました。


2.接着用モルタル(あるいは接着剤)に問題があった

  当該タイルの張り方は、
  モザイクタイル張りあるいは接着タイル張りと推測できます。


  タイルの裏脚や外壁面に接着用モルタルの付着が少なかったことから、
  接着剤張りで施工した可能性が高いと考えることは合理的です。

  いずれにしても接着用として使用した剤量が少なかったこと、
  接着剤とコンクリート躯体が密着していなかったことが、
  タイルの浮きをここまで悪化させた原因と考えます。

下地モルタルの目荒らしを実施


空隙が大きく、激しく浮いているタイルは簡単に剥がせましたので、
タイル落下に注意を払いながら一枚一枚丁寧に剥がし、
コンクリート躯体の目荒らしを実施して貼り直しを行いました。

下地モルタルの目荒らしについては、
以前に書きました以下のコラムをご参照ください。

https://tokyobousui.com/%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0/%e5%a4%a7%e8%a6%8f%e6%a8%a1%e4%bf%ae%e7%b9%95%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e3%80%80%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%ab%e5%bc%b5%e3%82%8a%e3%81%a8%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%ae%e7%9b%ae/

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コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

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