屋上防水 種類と工法 その特徴と選択のポイント
屋上防水が現在どのような種類・工法で為されているかによって、
改修工事で選択する防水種類・工法は違ってきます。
適切な防水種類・工法を選択しなかった場合、
不具合が早期に生じ雨漏りが発生することもあります。
東京防水は、
改修防水の種類としてウレタン塗膜防水をお薦めしています。
ウレタン防水をお薦めする理由です。
1.他の防水と変わらない耐久15年
2.継ぎ目の無い防水層の形成が可能
3.既存防水の撤去の必要がない
4.15年経過後、再度改修する場合の費用が安価
→既存防水層の撤去、防水下地の修復作業が不必要
5.メンテナンス費用が安価で手軽
→トップコートの塗り替えを3~5年毎に実施すれば、
半永久的に防水機能を維持可能。
トップコートの工事単価中央値は¥2,000~2,500/㎡
現在の屋上防水に適した改修防水工法
1.現在の防水が
アスファルト防水保護コンクリート工法の場合
防水機能は、コンクリートの下に施工されている
アスファルト防水が担っています。
アスファルト防水の上を人が歩行できるように、
保護コンクリートがアスファルト防水を覆っている工法です。
保護コンクリートの厚さは6cm~10cm程度が最も多いです。
通常は躯体側で耐火性能を満たすように設計しますが、
何らかの理由で保護コンクリートで耐火仕様が求められる場合は、
コンクリート厚さは10cm以上となります。
保護コンクリートの劣化損傷が相当に劣悪で無ければ、
ウレタン防水通気緩衝工法をお奨めします。
2.現在の防水が
アスファルト防水露出工法の場合
歩行を必要としないあるいは歩行がほとんど無い屋上の場合、
アスファルト防水の最上部シートは砂付きシートを使用します。
砂付きシートを使うことで、アスファルトの粘着力を軽減させます。
防水層が露出している分、保護コンクリート工法よりも
紫外線等にによる防水機能の劣化は早まります。
かつては改質アスファルト防水トーチ工法を推奨していました。
が、ウレタン防水の通気緩衝シートの品質改良により、
アスファルト成分の涌出が皆無となった現在では、
ウレタン防水通気緩衝シートをお薦めしています。
現在のアスファルト防水の劣化損傷が激しいときは、
シート種類が異なる機械的固定工法をお薦めしています。
通常の劣化損傷であればウレタン防水通気緩衝工法を、
劣化損傷が激しいときは機械的固定工法をお薦めします。
3.現在の防水がシート防水の場合
シート特に塩ビ製の場合は、時間の経過とともに可塑剤の溶出により
シート自体が硬くなり、剥がれや捩りが激しくなる場合が多々あります。
強風によりシートが波打ったり、シートの継ぎ目から剥がれたりと、
現在のシートを剥がさないと新たな防水層を作ることが難しい、
そんな屋上防水も多々見てきました。
既存シートを剥がさざるを得ないのであれば、
新たな防水はどの種類を選んでも問題ありません。
が、東京防水は最初に述べた理由により、
ウレタン防水通気緩衝工法をお薦めしています。
シート防水の劣化損傷が小さく、
現在のシート防水を剥がさずに済む場合、
やはりウレタン防水通気緩衝工法をお薦めします。
4.現在の防水がウレタン防水の場合
劣化度合ががトップコートだけであれば、
トップコートの塗り替えだけで済みます。
劣化がウレタン防水塗膜にまで及んでいる場合は、
ウレタン防水密着工法がお薦めです。
躯体コンクリートなど防水下地が健全な状態が確認できれば、
密着工法で問題ありません。
防水下地に不具合がある場合は、
通気緩衝工法をお薦めします。
ウレタン防水の種類・工法について
以前に書きましたブログで
ウレタン防水の種類、工法別で
特徴や施工方法などを詳しくご紹介しています。
是非ご参照ください。