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大規模修繕工事 コンクリート面の塗装は必要ですか?

外壁改修工事

コンクリートの打ち放しは、
コンクリート素材そのもの、
無機質な仕上げを愉しむデザイン手法です。


コンクリートのひび割れ、表面劣化の補修・復旧、
あるいは更なる劣化を抑制する目的として、
コンクリート打ち放し建物を何らかの方法で塗装することは、
建物イメージや建物の見え方を変えることになりますで、
設計者としては大いに悩むところです。

しかし一方で、大規模修繕工事を行う目的として、
コンクリートの劣化の進行を遅らせたり、
コンクリートの中性化を抑制したりが必要となります。

無機系、フッ素樹脂などの塗料で
コンクリート面をクリア塗装したり、
浸透性のコンクリート保護剤などを塗布して、
コンクリートの長寿命化を図ります。

鉄筋コンクリートの利点

鉄筋コンクリート造は、
引張り力に強い鉄筋と、
引張り力には弱いけど圧縮力に強いコンクリート
とを組み合わせて作ります。


鉄筋とコンクリートの互いの弱点を補い、
相互の利点を引き出した素晴らしい構造形式です。

コンクリートの中性化とは?

鉄筋が酸素によって錆びないよう(酸化する)、
コンクリートのアルカリ性が守ってくれています。
アルカリ性を失う現象のことを中性化と言います。

コンクリートは、
セメント成分が水と化学反応を起こし、
アルカリ成分の化学物質を形成することでアルカリ性になります。

実際の現象はもっと複雑ですが、
分かりやすい化学反応式は次のようになります。

CaO(酸化カルシウム)+H2O(水)=Ca(OH)2(水酸化カルシウム)

CO2と反応してアルカリ性のCa(OH)2 がCaCO3変化し、
アルカリ性が減少するしていくことを中性化と言うのです。

Ca(OH)2(水酸化カルシウム)+CO2=CaCO3(炭酸カルシウム)

アルカリ性が失われると、
鉄筋を酸素による錆(酸化)から守れなくなります。

屋内のコンクリートの中性化


近年、多くの実験データや研究、論文などによって、
屋内においては、中性化が進みにくいことが明らかになってきました。

鉄筋コンクリート造では、中性化を許容するのは難しい
とされてきましたが、この考えを見直す動きが始まりました。

日本建築学会の
「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5 (鉄筋コンクリート工事)」は、
2022年11月に大改定を実施し、中性化の許容を明確にしました。

日本建築学会
「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5」

今回の改定で、
コンクリートが劣化しない環境として「非腐食環境」が追加され、
鉄筋の腐食因子が存在しないと見なせる部位が定められました。

例えば、外気に接することがない屋内環境にある部位で、
直接の水ぬれ、結露などによる水分供給の可能性がない部位を指します。

一般的な腐食環境では、
建物の使用年数に応じた耐久設計基準強度を求めています。
が、非腐食環境では耐久設計規準強度を設定しないとしました。

コンクリートが中性化しても、
鉄筋に錆を発生させる水分がなければ、
構造強度を考慮しなくて良いということになります。
つまり、鉄筋が錆びないのならば中性化を問題にしないということです。

コンクリート中性化と脱炭素社会

海外では、コンクリートを中性化させて、
CO2を固定する取り組みが先行しています。

日本のゼネコン、企業の中にも、
CO2の固定化に取り組む企業が出始めています。

コンクリート内にCO2を固定化する手法は、
脱炭素社会実現を掲げる多くの建設業者にとって、
目の離せない取り組みです。

コンクリート面(打ち放し)に適した塗料

コンクリート面の塗装に用いる塗料は、
現状の劣化度、意匠性などを考慮しながら、
東京防水は以下の塗料を使い分けています。

1.ダイヤ水系CRPシステム
 (無機系とフッ素樹脂の両タイプあり)

2.セブンS(アクリルシリコン樹脂)

3.ランデックスコート(シロキサン系疎水剤)

4.コンフィックスSM-AA(シロキサン系撥水剤)

上でご紹介した製品以外においても、
塗料の主成分や理論に大きな違いはありません。

無機やフッ素などの合成樹脂でクリア塗装を行い、
コンクリート表面を透明な膜で覆うか、
あるいは撥水・疎水成分の浸透性塗料を塗布して、
雨やCOの侵入を防御するかのいずれかの方法になります。

東京の防水工事、大規模修繕工事、外装修繕工事は千代田区西神田の東京防水にお任せください。

ブログ執筆者:一級建築士 佐藤静

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