大規模修繕工事　塗装のEPやAEPは何のことですか？

EPはエマルションペイント（Emulsion Paint）の略で、
水性の合成樹脂塗料のことを指し、
AEPはアクリル樹脂のエマルションペイント（Acrylic Emulsion Paint)
の略で水性アクリル樹脂塗料のことです。

ＥＰ：エマルションペイント

分離している水と油が乳化状態であることを、
英語ではエマルションと言います。

乳化状態とは、
まるで交じり合っているように見える状態のことです。

マヨネーズやドレッシング、
化粧乳液は乳化状態の代表例です。

乳化状態だと
水と油は交じり合ったままですか・・・

水と油はお互いに界面張力が大きいので、
界面の面積を小さくする作用が働きます。

微細な液滴状に分散しても、
それら微細滴（粒）が合体することで、
界面を小さくしようとする動きが生じ、
最終的には、お互いの層に分離し安定しようとします。

交じり合った状態を保つには・・・

両親媒性物質の力を借りて、
分散している液滴を安定させます。

水と油のように分散している中に、
両親媒性物質を添加すると、
この物質が水と油の仲立ちをして、
混ぜ合わせることが可能となります。

両親媒性物質＝界面活性剤

水と仲良くなれる部分（親水基）と、
水と仲が悪い部分（疎水基）
の両方の性質を持っている物質を、
両親媒性物質と言います。

両親媒性物質が粒状層状に分布すると、
表面張力は低下し、
界面を保護するので液滴の分散系が安定化します。

界面活性剤や乳化剤は両親媒性物質です。

天然の界面活性剤

界面活性剤のほとんどは、合成により作り出されます。
人工で作るがゆえに、
様々な乳化力のものが多種類生み出されて、
安定した化粧品作りに役立っています。

天然の界面活性剤としては卵の中のレシチンがあります。
マヨネーズは卵が界面活性剤の役割をしているのです。

他には多くの植物に含まれているサポニン、
甘草に含まれているグリチルリチン酸、
微生物の代謝物なども界面活性剤としての能力をもっています。

AEP:アクリルエマルションペイント

つや消しの水性アクリル樹脂塗料のことです。

水性の合成樹脂塗料は、
酢酸ビニル樹脂塗料が最も安価で、
区別するためにAEPと表記することがあります。

つや消しアクリル樹脂エマルション塗料は、
耐候性が低いので室内の塗装に適しています。

一方、アクリル系塗料は透明性に優れていますので、
素材そのものの色をくっきり見せる効果があります。

塗料価格が安価なので、
短いサイクルで塗り替えるテナントや看板等の塗装に適しています。

東京の大規模修繕工事、防水工事、外装改修工事は東京防水にご用命ください。

東京防水インスタグラム

https://www.instagram.com/tokyobousui/

ブログ執筆者：一級建築士　佐藤静