大規模修繕工事と防水工事の建築基準法 防火・耐火塗料と内装制限
大規模修繕工事と防水工事の際に役立つ、
建築物の防耐火の基準・規則を、
数回のシリーズでご説明してきました。
実は塗料にも防火や耐火の仕様があります。
今回はそれら防耐火塗料と内装制限についてご説明いたします。
防火塗料と内装制限
防火塗料を使用するのは、
内装制限を受けた室内の塗装を行う場合です。
内装制限とは・・
内装制限は建築基準法施行令128条の3の2以下で規定しています。
内容が複雑で多岐にわたる為、一級建築士でも難解な条文です。
細かいことは省いて要点だけを書きますと、
・一定規模以上の延床面積の建物や3階以上の建物
・煙を排出するための窓の大きさが基準以下
・火気を使用する室など
の場合、
「床から1.2m以上の高さの壁と天井は、
難燃材料または準不燃材料以上を使用しなければならない」
です。
防火塗料
内装制限を受ける室内を塗装する場合、
防火塗料(不燃、準不燃、難燃)を使用しなければなりません。
2023年4月5日現在、メーカー29社の338製品が
一般社団法人日本塗料工業会に登録されています。
不燃認定:NM-8585
準不燃認定:QM-9816
難燃認定:RM-9364
どのメーカーのどの商品が防火仕様の塗料なのかは、
日本塗料工業会あるいは各メーカーのパンフレット等で確認できます。
一般社団法人日本塗料工業会
https://www.toryo.or.jp/jp/anzen/fire-r/fp-list.html
耐火塗料
耐火塗料は、鉄骨の耐火被覆を兼ねた塗料です。
使用するのは特殊な場合が多くなります。
ボード類を使って耐火被覆すると、
柱や梁は太くなり意匠的に見栄えが悪くなることがあります。
そういうときは耐火塗料を使って鉄骨を塗装します。
火災時には耐火塗料に含まれる発泡剤が発砲し、
それが断熱層となり鉄骨を火災から守ります。
30分準耐火塗料、1時間耐火塗料、2時間耐火塗料があります。