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なぜコンクリートに防水工事を行う必要があるのですか?コンクリートは水を通さないですよね?

コラム

「コンクリートは水を通さないと思っているのですが、
 なぜ屋上は防水工事をしないと駄目なのでしょうか?」

防水工事をご依頼下さったお客様から、
少し説明の難しいご質問をお受けしました。

Q:コンクリートには目に見えない微細なひび割れが多数あって、そのひび割れが進展し拡がって水が浸透しはじめます

外からとても奇麗に見えるコンクリートでも、
目に見えないひび割れがあったり、
内部に空隙が合ったり、
骨材(砕石や砂)とセメントが密着していなかったりと、
水が通る道筋は多数あります。

現在目に見えていないひび割れは、

・乾燥湿潤の変化や温度変化の繰り返しによるもの

・水分の凍結融解によるもの

・建物の常時微振動によるもの

で、徐々に目に見えるひび割れに進展していきます。

コンクリートにひび割れが発生する理由

1.コンクリートの性質によるもの

コンクリートは単位水量が少ないほうが水密性は高くなります。
(専門的には水セメント比が小さいと表現します)

一方で水が少ないと

・コンクリートが鉄筋の隙間に行き渡らない

・施工性が悪い

・骨材が偏在しやすい

・(骨材が偏在することで)コンクリート強度分布がバラバラになる

など、コンクリートの健全性が大きく損なわれることになります。

コンクリート構造物の水密性は材料の分布のバランスが重要です。

2.不適切な施工によるもの

材料を混合し出来上がったコンクリートは、一定時間内に打設しなければ、
豆板(ジャンカ)、打ち継ぎ不良、コールドジョイントなど、
施工時に起こる不良要因の発生頻度が高くなります。

また、電動バイブレーターの挿入、
木槌による型枠叩きなど適切な打設方法を行わないコンクリートは、


・豆板(ジャンカ)

・骨材の不適当な分離

・骨材の偏在

などの欠陥部分が生まれやすくなります。
打設前の事前処理、注意事項としては、


・打設前の型枠への散水

・打継ぎ部の目粗し、散水

・コールドジョイントが生じない時間内打設

・ブリージング、レイタンスの除去

などは非常に重要になる作業です。

3.コンクリートが固まるまでの性質

コンクリートは固化するとき、
水和反応に不必要な余分な水をコンクリート上部に向け排出します。
これをブリージング現象と言います。

またレイタンスと呼ぶコンクリート内の微細なカスも、
ブリージング水と一緒に上部表面に押し上げます。

これらブリージング水の通り道を適切に処理しないと、
微細なひび割れとして残りコンクリートの水密性は低下します。

4.固化するときに発生する水和熱の影響

セメントの水和反応に伴い発生する熱はひび割れを発生させる一番の原因です。セメント量が多ければ水和熱の上昇は大きく、
硬化後、温度が下降するとコンクリートの収縮にともない、
貫通ひび割れが発生する原因となります。

また、硬化初期の養生不足は、
乾燥による表層ひび割れを起させる大きな原因です。

5.使用開始後の悪影響

水密性は部材の厚さにも大きく影響を受けます。

特に供用開始後の乾湿や温度変化の繰り返しにより、
部材の薄い構造物は貫通ひび割れが入りやすい性質があります。

自重によるたわみや荷重など、
応力変化の繰り返しも貫通ひび割れを引き起こしやす原因です。

コンクリートの水和反応と水密性

コンクリートに使用されているセメントには水和反応により、
ひび割れや空隙をふさぐ性能が有り水養生を行えば水密性は高まります。

この性能により、コンクリートは適切な養生を行えば、
永年にわたり緻密になり強度も増加すると言われています。

しかし、動かない水は養生水となりますが、
移動する水はセメントの水和反応が進行中の成分を移動させてしまいます。

また、水和反応は緩やかな反応なので、
湿潤状態を長期間維持することが難しく、
構造物では水密性を高める性能が十分発揮していないのが実状です。

コンクリートの防水工事とは・・

コンクリートに防水工事を行う理由は、
目に見えないひび割れからの雨の侵入を防ぐことです。

今は目に見えていないひび割れ、
コンクリートの厚さを貫通していないひび割れ、
これらがいつ雨漏りを発生させるひび割れに発展するかは予測不能です。

だから、安心を保証してくれる防水工事を実施します。

通常のコンクリート防水工事は表面保護工法に分類されます

表面保護工法は、次の2種類があります。
一般的な屋上防水などで用いている防水工事は、
表面被覆工法に分類されます

1.表面被覆工法:ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水など表面を防
         水材で覆う方法

2.表面含浸工法:コンクリート内部に防水性能を持った薬液を含浸させて、
         コンクリート表面からの雨水の侵入を遮断する方法

表面被覆工法のウレタン防水、シート防水、アスファルト防水の特徴などは、
前回のコラムで解説いたしましたので、どうぞ参照してください。

表面含浸工法とは・・

表面含浸工法は、施工が簡易でコストが低く,
無色透明で維持管理性に優れる特長を有しています。

コンクリート構造物の予防保全対策や
経年劣化に対する補修工法として広く適用されています。

・シラン系表面含浸材


 シラン系浸透撥水剤は、水は通さないが空気は通す性質があります。
 交通量の多い場所は二酸化炭素が多くなりますので、
 二酸化炭素によるコンクリート中性化に注意が必要です。

シラン系表面含浸材は非常に浸透性が高い特徴があります。
コンクリート表面に塗布することにより表層部に含浸し,表層部を疎水性に改質することで高い撥水性を発揮します。
疎水性がコンクリート本来の性質である吸水性を大幅に低下させます。そのため,水が移動媒体となる塩化物イオン等の劣化因子のしゃ断性にも優れます。
ローラーやエアスプレーで簡易に塗布することができます。
塗布後は無色透明になり,美観を損ねることはありません。

・けい酸塩系表面含浸材


けい酸塩系表面含水材は、微細なひび割れや空隙内部に浸透して、
セメントの水和反応に必要な成分を補充し、
コンクリートの水密性を高める方法です。
水分の供給で水和反応が継続し、
新たに発生するひび割れも塞ぎ水密性を保つ効果があります。

けい酸塩系表面含浸材は、コンクリート表面の状態を変えずに長寿命化を図る塗布材料です。しかし従来は、無色透明故に施工時の塗布状況や塗布範囲などを管理写真に残すことができませんでした。

けい酸ナトリウム、けい酸カリウムの粒子コロイドを主成分に、水酸化カルシウムとの反応物である「C-S-Hゲル」による緻密層を形成して大気中の二酸化炭素、塩化物イオン、水などの劣化因子のコンクリート内への侵入を抑制します。

東京の大規模修繕工事、防水工事、外装改修工事は、千代田区西神田の東京防水にお任せください。

コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

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