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都区内に建つマンションの場合、水道を増圧直結給水方式に変えるときの工事費用は概算でどのくらいですか?

コラム

大規模修繕工事の現地調査で訪問した5階建て全37戸のマンションの管理組合理事さんに、

・安全安心な水を利用できること
・清掃費や維持管理費の軽減が図れること

のメリットをご説明し、貯水槽方式から増圧直結給水方式への変更をご提案しました。
「工事費がどのくらいになるのか概算でよいので知りたい」と興味を示されましたので、
必要となる調査や手続きなどを含め、概算工事金額をご提示しました。

 

水道に関する基礎知識

 

1.水道の種類分け

 

公共水道の供給方式や供給規模により以下のように区分します。

1.上水道事業:一般の需要に応じ5001人以上に対して供給

2.簡易水道事業:一般の需要に応じ101人以上5000人以下の対して供給

3.水道用水供給事業:水道事業者に供給(水道水の卸売り)

4.専用水道:自己水源で浄水処理した自家用水道

5.貯水槽水道:水道事業から受水

(1)簡易専用水道:貯水槽容量が10㎥超

(2)小規模貯水槽水道:貯水槽容量が10㎥以下

 

今回のマンションは5㎥の貯水槽が設置されていましたので、
小規模貯水槽水道の区分に該当します。

 

2.給水方式

 

一般的な中低層マンション、ビルなどへの給水方式を東京都を例にご紹介します。

 

(1)直圧直結給水方式

水道配水管の圧力だけで直接給水する方式です。
かつては直圧直結による給水は建物3階までを原則としていました。
しかし高圧に耐える水道管への敷設替えが進んだ現在、
4階以上へも直圧直結で給水することが可能となってきました。

 

 

(2)増圧直結給水方式

中高層の建物や大型施設(ホテル、ショッピングセンターなど)の建物の場合、
建物側に増圧(加圧)ポンプを設置し高い階にまで圧力を加えて給水する方式です。
貯水増方式から増圧直結給水方式へ容易に移行できるよう規制が緩和されています。

 

 

(3)貯水槽方式

貯水槽に一旦水を貯め、その水を
・ポンプで加圧する
・建物塔屋に載せた給水タンクに送り自然落下を利用
のいずれかの方法で給水が行われています。

長所:事故や災害時等に、貯水槽内に残っている水を使用することが可能
短所:貯水槽の定期的な点検や清掃などの維持管理が必要

従来は3階以上の建物は、原則、貯水槽方式しか認められませんでした。
しかし現在は、安全でおいしい水がそのまま蛇口まで届くようにと、
貯水槽方式から直圧直結方式あるいは増圧直結方式への普及促進を行っています。

 

3.塩素消毒について

塩素系消毒はコレラや赤痢など水を介して感染する病気対策として戦後に取り入られました。
インフルエンザや新型コロナに対しても、感染性を失わせる効果があると言われています。

WHO(世界保健機構)は、塩素の健康影響に関して5mg/Lをガイドラインとして公表しています。
東京都の水道水は、0.1mg/L~0.4mg/Lとなるよう調整されています。

4.東京都の水道水の水質管理

51項目の「水質基準」が法令で定められています。
東京都とは独自に基準を追加し全280を超える項目の水質検査を実施しています。

(1)水源:70個所の調査地点の水質調査を定期的に実施

(2)浄水場:水道水を作る浄水場で、機械による水質検査と職員による水質検査を実施し、
水質の変化に合わせて薬品を入れる量をコントロール

(3)蛇口:都内131カ所に設置された自動水質検査装置により残留塩素濃度などを自動計測

 

貯水槽方式から増圧(直圧)直結給水方式に変更するには

 

1.配水管(水道本管)からの引込管の管径

2.敷地内配管の状況

3.貯水槽の大きさなど現況確認と解体撤去工事の難易度

4.使用中の加圧ポンプの転用の可否

5.貯水槽廻りの配管状況

などを調査した上で、東京都水道局に相談します。

4~5階建ての建物であれば、配水管から必要な水圧を確保できる場合、
直圧直結給水方式への変更も認められます。

 

 

増圧(直圧)直結給水方式に変更するための費用

1.水道本管からの引込管が現状利用できる場合

引込管、水道メータ、貯水槽までの配管が既存利用可能であれば工事費用は発生しません。

しかし引込管や敷地内配管などが再利用できない場合は配管工事が発生します。
水道本管の埋設深さや引込管の管径、コンクリートやアスファルトの掘削の要否、
必要な配管距離、交通量などの施工性難易度などにより工事費は大きく変動します。
数百万単位の工事になるとご理解ください。

2.貯水槽撤去費用

貯水槽が容易に解体撤去できる場所に設置されていれば、数十万円程度です。
別途、産業廃棄物としての運搬費+処分費が掛かります。

貯水槽の大きさにより多少変動いたしますが、
解体撤去+運搬処分費を併せて百万円前後を見込みます。

3.増圧ポンプ設置費用

現在の貯水槽で使用している加圧ポンプが転用可能であれば、
接続切替工事費の数十万程度が必要となる工事費です。

現在の加圧ポンプが転用できないときは、
工事費目安はポンプ代込で概算百万円前後になります。

4.撤去した貯水槽廻りの配管工事費用

配管の接続工事が容易な場所であれば概算数十万円程度が目安です。

5.工事費合計概算金額

現在の配管が利用できて本管引込工事、個別要因、特殊要因などが無いと仮定した場合、
工事費合計金額は、1.5百万円前後~2.5百万円前後が適切価格の範囲だと考えます。

 

 

東京の大規模修繕工事、防水工事、外装改修工事は
千代田区西神田の東京防水にお任せください。

 

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コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

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