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屋上防水 アスファルト防水の保護コンクリートの役割は何ですか?防水改修時の下地処理とは・・

コラム

1.アスファルト防水に関して

 

代表的な屋上防水種類と各々の施工面積比率は、

・ウレタン防水:32.6%

・シート防水:29.6%

・アスファルト防水:21.6%

・FRP防水:7.6%

となっています。

(出典:一般社団法人日本防水材料協会 2019年実績)

 

(1)アスファルト防水層の作り方

 

アスファルトは防水材と接着剤の両方の役割を果たしています。

「アスファルト液を塗布し、その上にアスファルトルーフィング(シート)を貼る」
という作業を1サイクルとし、3~4サイクルを繰り返すことで、
アスファルト防水層を形成するのが一般的な工法です。

常温での作業が可能な工法や臭いの発生が少ない工法も開発されていますが、
通常は260℃の高温アスファルトを使い、アスファルト臭の発生もあります。

 

(2)アスファルトは粘着性が高い

 

アスファルトは粘着性があります。
屋上を歩行したり開放したりする場合には、
アスファルト防水の表面を何かで覆う必要があります。

歩行などが軽度である場合は最終仕上げは砂付きルーフィングを使います。
一方、多人数による重歩行や屋上を不特定多数に開放する場合は、
アスファルト防水の上に保護コンクリートを施工する方法が一般的です。

 

(3)アスファルトは劣化しやすい

 

・温度変化(直射日光や気温変化)による伸縮が大きい

・飛来物によって裂傷が生じ易い

・酸素(空気)、紫外線により粘性を失いひび割れしやすい

など、アスファルトは通常の自然環境下でも劣化しやすい性質があります。

 

 

2.アスファルト防水の保護コンクリートとは

 

上述のとおり粘着性の高いアスファルト防水上を歩行したり、
アスファルト防水層を保護し劣化を抑制する目的で施工するのが保護コンクリートです。

保護コンクリートは押えコンクリートあるいはシンダーコンクリートとも言います。

 

(1)保護コンクリートの性状

保護コンクリートは構造的な役割を担うことはありません。
柱や梁への負担が少なくなるようできるだけ軽量にするため、
重量が軽い材料を使い、厚さは必要最低限で施工します。

 

(a)軽量骨材やシンダーアッシュを使用して軽量化する

シンダーアッシュは火力発電所や製鉄所で産生される燃えカス、灰のことです。
軽量で強度を必要としないコンクリートを作るときの骨材として使用します。
そのことから、軽量コンクリ―トのことをシンダーコンクリートと呼ぶこともあります。

 

(b)厚さは60mm~80mm程度が適当

厚さが薄いとひび割れしやすいので、通常、溶接金網(メッシュ筋)を敷設します。
溶接金網のかぶり厚さを確保するには60mm程度の厚みが適当です。

 

(c)コンクリートの強度は建物躯体のものより低い

中高層マンションの躯体に使用するコンクリート強度は、
一般的に18N/mm2~24N/mm2程度です。
保護コンクリートの強度は14N/mm2程度が一般的です。

強度が低いコンクリートはセメント量や骨材量(砕石や砂)を少なくすることができるので、
軽量なコンクリートを作ることが出来ます。

 

(2)保護コンクリートの伸縮目地

 

保護コンクリートには3m以下の間隔で目地を設けます。

・コンクリートの収縮にによるひび割れの発生を少なくする

・コンクリートの膨張を吸収し膨張破壊やパラペットの損傷を防ぐ

ことが目地を設ける目的になります。

伸縮目地材料は、

・保護コンクリートに対する付着力が強い

・耐候性が高い

・温度特性に優れている

・伸縮能力が十分にある

ものを選びます。

上述の要件を満たすものとしてアスファルト系、高分子系(塩ビ、プラスチックなど)がありますが、
現代は高分子系の目地材を使うのが一般的です。

 

 

(3)保護コンクリートの劣化判断

 

軽量コンクリートであっても劣化に関しては通常のコンクリートと変わらない現象が現われます。

・水捌けの悪い場所、日影の場所にコケやカビが発生⇒アルカリ成分の減少

・ひび割れの発生⇒雨水が浸透

・目地材の割れ、剥がれ、めくれなど⇒雨水の浸透

雨水が保護コンクリートの下に浸透すると、
アルカリ成分の溶出による強度低下や脆弱化が問題となります。

冬期間は雨水の凍結によるコンクリート破壊が発生しますので、
アスファルト防水層の破壊に繋がり雨漏りへと進展します。

 

 

着工前の劣化状況 シール処理跡が多数あります

 

 

3.保護コンクリートの修繕=下地処理

 

(1)伸縮目地の改修

劣化した伸縮目地材を撤去してシーリング材を充填する方法が一般的です。
撤去後の目地が深すぎる場合はバックアップ材を挿入し、
10~15mm程度の深さになるよう調整してからシーリング材を充填します。

古い目地材が残っていると、

・硬くなった古い目地材が新しい防水層を傷つける

・コンクリート下に進入した水が水蒸気となり新規防水層を膨張させる

などの悪影響を及ぼすことがありますので、
残りカスが無くなるまで丁寧に綺麗に取り除くことが重要です。

 

古い目地材の撤去

 

シーリング材充填

 

 

(2)コンクリート表面の左官仕上

 

保護コンクリート表面のひび割れ、欠損、アバタなどは、
樹脂モルタルやポリマーセメントなどを使って補修します。

現在の保護コンクリートと新しい防水層の密着性を高めるには、
保護コンクリートを平坦で滑らかな表面に仕上げることが重要です。

また水勾配を見ながらの左官仕上となりますので、
左官職人の高い技術が求められる作業となります。

 

 

下地左官作業

 

 

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コラム執筆者:一級建築士 佐藤静

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